横浜市の概要

日本の首都、東京の南部に位置し、東京に次いで日本で二番目の大都市が、横浜市です。約370万人の人口を誇り、18の行政区に分かれる横浜は、一言でまとめるのは難しいほどに多様な顔を持っています。

幕末に開港して以降、日本を代表する港湾都市として発展してきた横浜には、近代的なビルが立ち並ぶ美しい景観が魅力のみなとみらいエリアや、歴史的な建造物と下町の雰囲気が交わり、いつも賑わいのある関内エリア、日本最大の中華街など、多くの人気観光スポットがあります。

一方で、内陸エリアに足を運べば緑豊かで閑静な住宅街も多く、東京都市圏のベッドタウンとして多くの人々が暮らしており、SUUMOの「関東・住みたい街ランキング2020」でも東京の人気エリアを抑えて1位に輝いています。また、南部の金沢区には横浜市で唯一の海水浴場もあり、夏場には多くの市民で賑わいます。さらに、3年に1度は現代アートの祭典「よこはまトリエンナーレ」も開催され、国内外を問わず多くの人々を惹きつけています。

港湾都市として海外の人々とも多くの交流を持ちながら、常に新しい文化を積極的に取り入れてきたオープンなマインド。横浜というまちを愛する市民一人一人のシビックプライドの高さ。観光や文化、アートなどを大事にする多様で創造的なコミュニティが、いまの横浜らしさを創り上げています。

横浜でサーキュラーエコノミーを推進する理由

日本を代表する都市として多くの魅力を持つ横浜ですが、必ずしもよい面ばかりではありません。横浜も他の地方都市と同様に、少子高齢化をはじめとした多くの地域課題を抱えています。「サーキュラーエコノミー」は、それらの地域課題を解決し、地域経済を活性化して新たな雇用を生み出すための具体的な戦略です。

人口減少や高齢化に伴う、新たな雇用創出・経済活性モデルの必要性

横浜市では、少子高齢化の結果として2020年を境として人口減少がはじまり、2050年には人口が現在の370万人から330万人まで減少すると推計されています。また、65歳以上の人口割合を示す高齢化率も現在の約25%から2050年には約35%まで増加すると予測されており、地域によってはすでに高齢化率が50%に達しているところもあります。少子高齢化と人口減少が進むなか、都市として新たな雇用を創出し、持続的な成長を実現するための新しい経済モデルが求められています。

単身者から高齢者まで誰もが活躍できる都市インフラの必要性

東京のベッドタウンとして発展してきた横浜は、標準世帯と言われる4人家族の生活を前提としてまちづくりが進められてきました。しかし、現在では横浜市の人口の40%以上が単身世帯となっており、外国人人口も10万人を突破、高齢者も増加するなど、多様な人々が暮らすまちへと変貌しています。このような多様な人々が活き活きと活躍し、共生しながら暮らせるように、まちのインフラを大きく作り直す必要が出てきています。

SDGs目標達成に向けた包括的なビジョンとしてのサーキュラーエコノミー

横浜市はSDGs達成に向けた先進的な取り組みが国から認められ、2018年6月に「SDGs未来都市」に選定されました。現在は2030年に向けて「脱炭素化」を目指しつつ、「力強い経済成長と文化芸術創造都市、観光・MICE都市の実現」「花と緑にあふれる環境先進都市」というビジョンが掲げられ、SDGsの各目標に沿った様々なプロジェクトが展開されています。これらの取り組みを横断し、環境負荷をかけることなく社会的な公正を実現し、繁栄する都市を実現するための包括的なビジョンが、サーキュラーエコノミーです。

横浜の強み

SDGs未来都市・Zero Carbon Yokohamaなどのイニシアチブ

SDGs未来都市に選定されている横浜は、持続可能な未来の実現に取り組む1,750以上の都市や地域からなるグローバルな都市ネットワーク「ICLEI」にも加盟しており、2050までの温室効果ガス実質排出ゼロ(脱炭素化)を目指すイニシアチブ「Zero Carbon Yokohama」、横浜独自のカーボンオフセット事業「Yokohama Blue Carbon」など、様々なユニークなイニシアチブを展開しており、サーキュラーエコノミーの実現に向けたナレッジとネットワークが蓄積されています。

農地と都市が共存しており、地域内循環が作りやすい

近代的なビルが立ち並ぶ港町としてのイメージが強い横浜ですが、実は横浜には市域の約7%にあたる約2,920ヘクタールもの農地があり、3,400以上の農家が野菜や植木、果樹などを栽培しています。日本最大規模の消費者と、生産者の両方を抱える横浜は、地産地消による地域循環をつくりやすい場所でもあります。

イノベーションと実験に適した立地と人口規模

東京から25km離れた横浜という立地は、東京本部の管理下から離れて自由な発想で事業開発や研究開発に取り組める「イノベーション出島」として多くの大企業から注目を集めています。また、370万人という人口は、1,000万人以上を抱える東京と比較してスモールな実験がしやすい一方で、他の地方都市よりも大きなインパクトを創出できる、適度な人口規模だと言えます。

首都圏から優秀な関係人口を確保しやすい

東京から電車で20分以内というアクセスのよさを誇る横浜は、普段は東京で働いている20代~40代の若手層を関係人口として確保しやすく、複業によるプロジェクト参画など多様な働き方によりサーキュラーエコノミープロジェクトを推進しやすい環境が整っています。

World Circular Economy Forum 2018の開催実績

2018年10月には、Sitra(フィンランドイノベーション基金)が主催するWorld Circular Economy Forum 2018がパシフィコ横浜で開催され、世界約85か国からサーキュラーエコノミーを推進する企業や政府関係者らが集まりました。その他、2020年2月には「サステナブルブランド国際会議2020横浜」も開催されるなど、グローバルなサステナビリティ都市コミュニティの一員として地位を築いています。

サーキュラーエコノミーで、横浜を「もっと」素敵なまちに。

地域が抱える様々な課題を解決し、環境負荷をかけることなく、誰もに恩恵が行きわたる形で持続可能な経済成長を実現していく。それが横浜の目指すべきサーキュラーエコノミーです。サーキュラーエコノミーは、サステナビリティとイノベーションの交差点。ぜひ、横浜を愛する皆さんで、横浜発のサーキュラーエコノミープロジェクトをつくっていきませんか?