住友商事・東京ガス、水素利活用に向けた共同実証実験を横浜にて実施
- On 2021年7月20日
住友商事株式会社と東京ガス株式会社は2021年7月7日、メガワット級固体高分子型水電解装置を使用し、水素利活用に向けた共同実証実験を、東京ガス横浜テクノステーション内にて実施すると発表しました。
本実証は、日本政府が2050年までに目指すーボンニュートラル化に向けたアプローチとして、年間42万トンを超えるクリーン水素*の供給を目指します。再エネ由来の電力を用いた水電解装置により製造される水素は、製造過程においてCO2を排出しないグリーン水素として、脱炭素社会の切り札とされています。グリーン水素の製造コストの低減や高効率化をめざし、水電解装置の大型化に世界中の注目が集まっています。
(*クリーン水素:ライフサイクルにおいてCO2を排出しないグリーン水素や、化石燃料を原料として、製造過程で発生するCO2を回収・活用したブルー水素などの総称)
水電解装置は、電力エネルギーを用いて水を分解し水素を製造する装置のことで、本実験で使用されるメガワット級固体高分子型水電解装置は、英国・シェフィールドに拠点を置くITM Power plc社の開発によるものです。海外製の大型水電解装置による運転検証は、今回が日本初となります。
住友商事は、水素吐出圧力を本製品標準スペックの2MPaから、日本の国内法規に準拠した1MPa未満に調整した2.0MW級の水電解装置を使用します。東京ガスは、水電解装置の設置およびさまざまな運転環境下でのオペレーションを実施し、最新の水電解装置の性能を把握するとともに、機器の運転や関連設備の施工などの大型水電解装置導入に向けたノウハウを蓄積します。
共同実証は、東京ガス横浜テクノステーションにて2022年6月以降の実施が予定されています。製造した水素は東京ガス横浜テクノステーション内にて脱炭素化に向けた水素利活用の研究開発に利用します。本実証の成果については両社に共同で帰属するものとし、今後の事業開発に活用していくとのことです。
【参照記事】メガワット級水電解装置を利用した水素実証実験の実施について