
神奈川大学とダイイチが「アップサイクル紙糸」使用の暑熱対策プロダクトを共同開発
- On 2025年10月1日
GREEN×EXPO 2027の開催を契機に発足した「ヨコハマ未来創造会議」では、次世代を担う若者たちが企業や地域と連携し、環境共生社会の実現を目指す共創プロジェクトを展開しています。
その第一弾として、神奈川大学道用ゼミの学生とユニフォームの企画製造を手掛ける株式会社ダイイチ(以下、ダイイチ)がタッグを組み、紙パッケージや間伐材をアップサイクルした「紙糸」を用いた暑熱対策プロダクトを開発したことが2025年9月に発表されました。今後は、傘のシェアリングサービス「アイカサ」との連携を含め、プロダクトの商品化等を進めるとのことです。
プロダクト開発の経緯
本プロジェクトは、リサイクル率の低い紙パッケージと横浜市水源林の未利用間伐材をアップサイクルした「紙糸」の優れた断熱性を活かし、GREEN×EXPO 2027で想定される暑熱環境への対応を目的にスタートしました。
道用ゼミの学生は3Dプリンター等のデジタル機器を活用し、ダイイチが持つ素材の知識や製造技術と組み合わせることで、約4ヶ月間にわたりプロダクトの共同開発を行いました。
GREEN×EXPO 2027を想定した日傘や扇子などのプロダクトが完成
完成したプロダクトは、会場内外での使用を想定した晴雨兼用傘や扇子のほか、会場スタッフ用のフード付きTシャツやポーチなど。デザイン面でもデジタル機器が使用されており、横浜らしいモチーフや花のコサージュをあしらわれています。

アップサイクル紙糸を使用した晴雨兼用傘

アップサイクル紙糸を使用した扇子、フード付きTシャツとポーチ
サーモカメラを用いた温度変化の測定では、晴雨兼用傘を使用することで温度が低下することが確認され、暑熱対策としての効果が実証されています。
さらに、「地元のものを使う・花で染める」という学生のアイデアをもとに、倒木の危険性が高いため撤去される上瀬谷地区の桜を活用し、傘の生地を染色。桜のモチーフを加え、地元の自然を新たな形で継承する特別な傘も製作されました。

上瀬谷の桜を使って染色した傘
傘のシェアリングサービス「アイカサ」との連携を予定
製作した晴雨兼用傘は、傘のシェアリングサービス「アイカサ」を運営する株式会社Nature Innovation Groupと連携し、GREEN×EXPO 2027の会場玄関口となる相鉄本線瀬谷駅のアイカサ機器に設置される予定です。その他のプロダクトは、断熱性や使いやすさを高める改良を経て、ダイイチによりグッズやユニフォームとしての商品化が検討されています。
Circular Yokohamaでは、今後もサーキュラーエコノミーに関連する取り組みやニュースを追ってまいります。
【参照記事】神奈川大大学生と株式会社ダイイチが共同開発「アップサイクル紙糸」を活用した暑熱対策プロダクトが完成
【参照サイト】株式会社ダイイチ
【参照サイト】神奈川大学 道用ゼミ
【参照サイト】ヨコハマ未来創造会議
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金田 悠

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