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生産者とも消費者とも「顔が見える関係」を。無印良品 港南台バーズの地域に根差した店舗づくり

  • On 2021年8月13日

「感じ良いくらし」の実現を目指し、これまで40年以上その事業運営を続けてきた良品計画が2021年4月、横浜市港南区に関東最大(2021年7月現在)の売り場を設ける無印良品 港南台バーズをリニューアルオープンしました。同店は、新たに「食と農」をテーマに掲げ、オープンキッチンの活用やSNSでの発信など、他店舗にはまだない独自のサービスを展開しています。

オープンからおよそ2ヶ月が経過した6月某日。Circular Yokohamaでは実際に無印良品 港南台バーズを訪ね、副店長を務める雨霧光寛(あまぎり・みつひろ)さんに、同店の「生産者とも消費者とも顔が見える関係」を築く、地域に根差した取り組みについてお話を伺いました。

無印良品 港南台バーズ 副店長 雨霧光寛さん

地域の人々とは、顔の見える関係で

無印良品 港南台バーズ(以下、港南台バーズ店)は、もともと1995年10月に、商業施設港南台バーズ内にオープンした店舗です。そして、2021年4月のリニューアルオープンを機に、新たに「食と農」をテーマとして掲げ、地産地消や生産者とのつながりを大切にする店舗づくりに踏み出しました。

生鮮品売り場の様子

特徴は、地下一階のフロア全体に食品コーナーを設置していること。無印良品の食品に加え、協業先であるクイーンズ伊勢丹の野菜や肉、中島水産の魚介類など、豊富な生鮮品の品揃えにより「食」の専門フロアを展開しています。

港南台バーズ店が特にこだわっているのが、地産地消の実現です。雨霧さんは、「店頭に並ぶ品物のうち30%以上を神奈川県産とすることを一つの基準にしている」と話します。また、商品そのものだけでなく商品の陳列方法にもこだわりがあるそうです。

「例えば鮮魚コーナーでは、切り身や刺身だけではなく、加工されていないそのままの魚も多く扱っています。それにより、消費者の方々に『魚の命をいただいている』ということを思い出していただきたいです。そうした仕掛けで、生産と消費の距離がまた少し近づくと嬉しいです。」

さらに雨霧さんは、こう続けます。

「私たちは、生産者とも消費者とも常に『顔の見える関係』でいたいと考えています。目指すのは、生産者、消費者、私たちの三者が互いにフィードバックを送り合えるような距離感を築き、地域全体を活性化していくこと。今回、新しく『食と農』をテーマに掲げることで、我々が生産と消費の距離を近づける役割を担うことができれば良いと思っています。」

さらに、港南台バーズ店はクイーンズ伊勢丹や中島水産との協業をきっかけに、これまでより一層、地域の生産者とのつながりを深められているといいます。

「港南台バーズ店のリニューアルオープンに際し、クイーンズ伊勢丹の紹介してくださった農家や漁師の方々の元へ店舗のスタッフと共に実際に足を運びました。生産者のみなさまがどのような想いを持っているのか。店頭に並ぶ食品はどのようにして店舗までやってくるのか。そういった商品の背景を学びながら、少しずつ生産者と顔の見える関係を築いています。このように、協業先の皆さまと連携することで、地域の生産者とのつながりを深めることができていると実感しています。」

「オープンキッチン」こそがコミュニケーションを生み出す最高の空間

地下一階の食品フロアを入るとすぐ目に飛び込んでくる、大型のキッチンカウンター。港南台バーズ店の大きな特徴である、無印良品初設置の調理スペースです。

店内のキッチンスペース

港南台バーズ店では、毎日11:00と12:00の2回、キッチンスペースを用いて実際に調理を行っています。その様子は、カウンターにて生で見学することができるほか、店内各所のモニターやSNSによるライブ配信でも見ることができます。

「生産者とも消費者とも顔の見える関係でいたい、という我々の想いを具現化できる場所がキッチンスペースです。私たちが選んだこだわりの食品をこだわりの方法で調理し、それを実際に消費者の方々に食べていただくこと。これこそが、生産と消費の間に立つ我々が消費者とのコミュニケーションを生み出すための、何よりの近道だと考えています。」

調理のライブ配信を行うカウンター

無印良品店舗初の試み。SNSを通じたユニークな情報発信

キッチンスペースでの調理の様子を配信するのは、港南台バーズ店のInstagramアカウント。良品計画では元々オウンドメディアの運営を強化してきた背景から、既存のSNSプラットフォームでの店舗独自アカウントの開設は、この港南台バーズ店が初となるそう。

「生産と消費の距離を近づけるためには、店舗からの積極的な情報発信も欠かすことができません。そこで、バーズ店のキッチンスペースを活用すれば、有意義な発信ができるはずだと考えました。良品計画社内でプレゼンテーションを行い、SNSでの情報発信の必要性と重要性を強調しました。そしてこの度、ついに港南台バーズ店独自のInstagramアカウント開設が実現したのです。」

 

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サステナブルなライフスタイルを応援する「量り売り」も導入

港南台バーズ店では、ナッツや穀物、コーヒー、ドライフルーツなど全部で34種類の食品を、20g以上から好きな量購入することができる量り売りコーナーを設けています。

量り売りコーナーの様子

自分が必要な量だけを購入できる量り売りの仕組みは、必要なモノを必要な量だけ手に入れることができるため経済的です。なおかつ、食品廃棄を削減したり包装材の無駄を省いたりできる点では環境面でもサステナブル、と近年注目を集めています。

「量り売りコーナーは、高校生を中心とする若い世代の方々からも好評をいただいています。また、コーヒーやドライフルーツなどを継続してご購入くださるお客様も増えており、品揃えのご要望をいただくこともあります。このような様々な反響に、喜びを感じています。」

紅茶葉の量り売りコーナーも

モノを売るだけではない。地域にとって「役に立つ存在」に

「食と農」をテーマに掲げる港南台バーズ店のもう一つの大きな特徴は、地域の抱える課題へアプローチしている点です。

港南台バーズ店の位置する港南区では、人口の高齢化比率が高まっています。港南区が行政区として誕生し周辺地域への人口の流入が始まった1970年頃には3%だった65歳以上の高齢者人口も、2015年には26.6%を越えました。

「港南台」という地名の通り、周辺には台地が広がっているため、この坂道の多い地形が高齢者の暮らしの妨げとなっているという課題があるのです。

港南台バーズ店では、2021年5月に横浜市との連携協定締結を発表し、横浜市が進めるSDGsやゼロカーボンの取り組みにも参画しています。横浜市が公開する地域に関するオープンデータも積極的に活用しながら、地域密着型の店舗運営を目指しています。

横浜市との連携協定締結の背景について、雨霧さんは次のように話します。

「店舗の運営を通じては、ただモノを売るだけではなく、その地域の活性化のお役にも立ちたいという想いがありました。そのために、まずは地域のことをより深く理解しようと考え、横浜市役所のいくつかの部署を通じて話を聞いたり、データを見たりしました。」

店内には、港南台バーズ店の取り組みを共有する掲示物が並んでいます

「地域が抱える課題について調べを進めていくうちに、地域課題の解決は一社だけ、民間だけの力では難しいということが改めてわかりました。そこで特定の部署に限定せず、横浜市全体と包括的に連携しようということになり、この公民連携を叶えることができました。」

横浜市のもつオープンデータを積極的に活用し、店舗の所在する港南区や横浜市全体の特長と課題を探っていきたいのだといいます。

食の循環をつくる「フードドライブ」の活動

港南台バーズ店が実現するもう一つの協働。それが、「食と農」と「地域課題」両者へのアプローチを可能にする、フードドライブ活動への協力です。

フードドライブは、まだ食べられるにもかかわらず品質や賞味期限の事情から捨てられてしまう食品を集め、食糧を必要としている人々に届ける活動のことです。フードバンクという言葉でも知られています。

良品計画では、この度の港南台バーズ店のオープンを皮切りに、横浜市内の無印良品全17店舗でフードドライブ活動への参画を開始しました。

「金沢区に拠点を置く公益社団法人フードバンクかながわとの協働により、フードドライブ活動への参加を開始しました。市内の各店で回収した食品は、フードバンクかながわの元へ届けられます。ぜひ、家庭で余っている食品を横浜市内のお近くの店舗にお持ちいただき、各店に設置されている回収ボックスへいれるか、店舗スタッフへお声掛けください。」
※寄付できる食品には条件があります。詳しくは、横浜市内 無印良品各店舗までお問い合わせください。

店内に設置された、フードドライブ専用の食品回収ボックス

店舗を利用する人々が家庭で余っている食品を持ち寄ることで、食品廃棄を減らすとともに、地域で食糧を必要としている人々の助けになることもできる。横浜市内の無印良品が提供する、新たな社会貢献の仕組みです。

地域の実態を知り、まちを「より良く」する

最後に、雨霧さんに港南台バーズ店の今後の展望について伺うと、地域との対話を一層深める取り組みを積極的に実践していきたい、と話してくださいました。

取材の様子

「港南区周辺地域への出張販売に挑戦したいです。高齢人口の多い地域ですから、日常的に店舗へ足を運ぶのが困難な方もいらっしゃると思います。そういった方々の元に私たちが伺うことで買い物がより便利になりますし、高齢単身世帯の孤立化を防ぐこともできると考えています。さらに、出張販売の機会を通じて地元住民の方々にアンケートや聞き取りを行って、地域の抱えている課題の本質を炙り出すことができればさらに良い、という想いです。」

「社会課題は多岐に渡り、その全てを私たちの手で今すぐに解決することは簡単ではありません。しかし、より良くすることならば、私たちにもできると思うのです。そのような想いを持って、地域に根ざした取り組みを継続して参ります。」

店舗の運営を通じて、地域を、社会をまるごとより良くしていく。港南台バーズ店の新たな取り組みは始まったばかりです。まちの豊かな暮らしと発展を支える無印良品 港南台バーズから、今後も目が離せません。

取材後記

港南台バーズ店が「食と農」を土台に、地域に暮らす「ひと」とのつながりに焦点を当てている点は、横浜市が推進するサーキュラーエコノミーPlusの概念にも寄り添っています。

サーキュラーエコノミーを通して地球全体の持続可能性を確保するためには、それぞれの地域の特徴や課題に合わせた取り組みが欠かせません。良品計画のように、全世界に拠点を持ちながら、各店舗が独立してその地域の実態に合わせた運営を行うことができる仕組みは、サーキュラーエコノミーの実現において非常に大きな意味を持っていると感じます。

店舗運営に携わる人々が実際に足を動かし、地域とのつながりを構築し、そして住民の声を聞きながら、地域をより良くしようと行動を起こす港南台バーズ店がこの横浜に誕生したことは、このまちの持続可能な発展にとって大きな財産となるのではないでしょうか。

【参照記事】横浜市との連携に関する協定締結のお知らせ
【参照記事】株式会社 良品計画
【参照記事】長期時系列データ(人口・世帯)|横浜市
【参照サイト】横浜市オープンデータポータル

※記事内でご紹介しているデータや数値、その他情報は2021年6月現在のものです。

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室井梨那(Rina Muroi)

横浜出身。幼い頃から自然食やエコな暮らしに興味を持ち、学生時代には日本の伝統食を学ぶ。その後アメリカで1年間を過ごし、帰国後は日本のサステナビリティを国内外に向けて発信している。

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