「欧州のサーキュラーデザインが横浜・星天のまちづくりに出会ったら? 〜地域を幸せにする循環型の場づくりを考えよう!〜」を開催しました【イベントレポート】
- On 2023年11月27日
Circular Yokohamaが、「新たな創造のための、自由な協働空間」をコンセプトとするコワーキングスペース「PILE – A collaborative studio – 」を運営する「Route Design合同会社」、社会をもっとよくするアイデアを集めたWebマガジン「IDEAS FOR GOOD」の2者とコラボレーション。トークイベント「欧州のサーキュラーデザインが横浜・星天のまちづくりに出会ったら? 〜地域を幸せにする循環型の場づくりを考えよう!〜」を、2023年10月24日に開催しました。
当日は25名を越える参加者が、会場である「星天qlay」に集まりました。
本記事では、当日の様子をご紹介します。
※本イベントは、循環型の暮らしの普及を目指すサーキュラーエコノミー推進月間「Circular October」の特別企画のひとつです。
「欧州のサーキュラーデザインが横浜・星天のまちづくりに出会ったら?」開催の背景
Circular Yokohamaを運営するハーチ株式会社では、2023年6月に欧州3都市(ロンドン・アムステルダム・パリ)をめぐる循環経済視察ツアー「Beyond Circularity(サーキュラーエコノミーのその先へ)」を開催しました。
各都市では、大企業による経済成長の手段としての循環経済推進だけではなく、より地域に根差した循環型ライフスタイルの実践や、成長よりもウェルビーイングを重視した循環型のサードプレイス・メイキングなど、地域からの変革を重視する先進事例に数多く出会いました。
そこで今回は、Circular Yokohamaが活動拠点を置く横浜「星天qlay(クレイ)」を舞台に、高架下の再開発が進むこのエリアからどのように地域が幸せになる循環をデザインすることができるのか、欧州のサーキュラーデザイン先進事例に学びつつ、皆さんと一緒に考えるイベントを企画しました。
第1部:特別トーク「サステナビリティと創造性が交差する場のデザイン」
第1部は、星天qlay Dゾーンに位置する「新たな創造のための、自由な協働空間 PILE – A collaborative studio – 」(以下、PILE)にて開催しました。本施設は、日本で初めてゼロウェイスト認証を取得したサステナブル・コワーキングスペースとして知られる長野県「富士見 森のオフィス」を手がけるRoute Design合同会社が運営する施設です。
そこで、PILEを運営するRoute Design合同会社の代表 津田賀央(つだ・よしお)さんによる特別トークを実施しました。
横浜に生まれ、2015年に長野県富士見町へ移住したのち、町役場とともに「富士見 森のオフィス」を立ち上げた津田さん。
同コワーキングスペースがどのようにして実現したのか、これまでの苦労からそこで培った学びまで、深くお話しいただきました。
トーク後、参加者から「自分もコワーキングスペースの立ち上げに挑戦してみたいが、実現に向けた課題が多く、調整がうまくいかず行き詰まっていた。実践者から直接話を聞くことができて励みになった」という声があがりました。
経験者ならではの視点で語るまちづくりのノウハウに、多くを学ぶ時間となったようです。
第2部:qlaytion gallery talk「欧州先進事例とともに考える、横浜・星天のサーキュラーデザイン」
イベント第2部は、本イベントのメインコンテンツである欧州先進事例とともに考える、横浜・星天のサーキュラーデザイン」のインプットトークです。
第1部と場所を変え、星天qlay BゾーンにあるCircular Yokohamaの活動拠点「qlaytion gallery」にて開催。欧州で見つけた事例紹介の前に、qlaytion galleryにおけるローカルな取り組みもご紹介しました。
メイントークを担当したのは、先にご紹介した欧州の循環経済視察ツアー「Beyond Circularity(サーキュラーエコノミーのその先へ)」の企画運営チームであるハーチ株式会社「ハーチ欧州」のメンバー。
ロンドン、パリ、アムステルダムの各都市におけるサーキュラーエコノミーの実践例を解説しました。
実際に現地に足を運んだメンバーが語る活動の様子や実践者の生の声には説得力があり、参加者の皆さんの想像力と創造力をかき立てていました。
各都市の事例紹介のあとは、PILEの津田さんも交えたクロストークを実施しました。
グローバルな視点とローカルな視点を行き来しながら、「より良いまちづくり」のあり方について多面的に語り合いました。
開催後記
今回のイベントタイトルは、「欧州のサーキュラーデザインが横浜・星天のまちづくりに出会ったら?」。
欧州の事例を聞きながら、「Circular Yokohamaが横浜のまちづくりに還元できる新たなアイデアはないだろうか」と様々に思考をめぐらせました。
そのなかで特に筆者が気になったアイデアはパリのNATURE URBAINEが提供する「シードボール」。
シードボールは種子、粘土、良質な土を混ぜて作る小さな球状のもので、これを適切な場所に投げ込むことで、種子は発芽し、花や他の植物が生えてきます。荒れ地や放棄された土地などに緑を戻すためのゲリラガーデニングの手法としてよく使われているそう。
例えば、2027年に瀬谷区で開催予定の「横浜国際園芸博覧会」の会場にシードボールを投げ込むイベントを開催できたらどうでしょうか。園芸博覧会の終了後、シードボールに込められた種子が発芽して花畑ができたり農園ができたりしたら、その土地がより多く・より長く人々に愛される場所になるかもしれません。
Circular Yokohamaでは引き続き、「Playful Circularity(循環を、あそぼう)」をテーマに、楽しくてワクワクするような様々な循環のアイデアをご紹介していきます。今後の情報は、本ウェブサイトやInstagram(@circular_yokohama)にてご確認ください。
この度のイベント運営にご協力いただきましたRoute Design合同会社の皆さま、当日ご参加くださいました参加者の皆さま、ありがとうございました!
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【参照記事】「脱成長」始まりの国フランス。市民に学ぶ「節度ある豊かさ」とは?(Beyond Circularity 2023)
【参照サイト】Route Design合同会社ホームページ