「循環を、”もっと“あそぼう!」パワーアップした循環ガチャが、IoTで地域貢献を加速【イベントレポート】
- On 2024年11月1日
Circular Yokohama(ハーチ株式会社)では日頃より、コインの代わりにペットボトルキャップ(以下、ボトルキャップ)を入れてあそぶ「循環ガチャ」の様々な楽しみ方を模索しています。
この度、WebサービスやIoT機器を自由に組み合わせることができるIoTプラットフォーム「ifLink(イフリンク)」の仕組みを応用した新たなIoT機能を開発し、地域の資源循環と貢献をより楽しめる体験の提供を開始しました。
本記事では、新機能の全貌をご紹介するとともに、同機能のお披露目を行った2024年10月17日(木)開催のイベント「ifLink EXPO」の模様をお届けします。
ifLinkとは
ifLinkとは、様々なIoT機器やWebサービスをモジュール化することで、ユーザーが自由に組み合わせて便利なしくみを簡単に実現することができるIoTプラットフォームです。機器を動作させるのにプログラムは必要ありません。アプリで誰でも簡単に、IFとTHENのルール(レシピ)を設定できます。メーカー、業界を横断して、さまざまな機器やサービスとの連携が可能です。
一般社団法人ifLinkオープンコミュニティ(以下、ifLinkオープンコミュニティ)は、さまざまな企業・団体に所属する人々が、その垣根を超えてオープンに交流しながら「誰もがカンタンにIoTを使える世界」の実現をめざすコミュニティです。2020年3月2日に複数企業により設立され、現在150社以上の企業や学校が参加し、IoT機器のifLink規格への対応やIoTソリューションの試作、アイデア発想、マーケティングなどを行っています。
※ifLinkは、東芝デジタルソリューションズ株式会社の登録商標です。
IoTで、循環が”もっと”楽しく身近に
ifLink×循環ガチャエンタメ開発チームは、ifLinkオープンコミュニティ会員企業・学校法人の有志により結成されました。
2023年11月より、各企業やメンバーの知恵や技術を結集しながら、循環ガチャの体験をより楽しくするためのifLinkのプラットフォームの活用方法を検討してきました。
こうして開発された二つのIoT機能をご紹介します。
特別なボイスメッセージで体験を強化。プレイ回数のカウントも可能に
一つ目の新機能は、「ボイスメッセージ」です。循環ガチャを回すごとに光と音声メッセージが鳴り、プレイ回数がカウントされる機能を搭載しました。
ifLinkの機能を活用することで、音声メッセージの内容とそれが流れるタイミングを自由に設定できます。今回のEXPOでは、10回プレイされるごとに「おめでとう!」というボイスメッセージが流れるように設定しました。
イベント会場では、筐体内部に設置したLEDライトも組み合わせ、視覚と聴覚を使って循環ガチャをお楽しみいただくことができました。
さらに、同機能を付加することで、プレイ回数をカウントし記録することも可能になりました。今後は、どのくらいの方々に循環ガチャを回してもらったかを計測し、我々の提供するサービスのインパクト可視化にも取り組んでいく予定です。
IoTシステム搭載のスケールを用いたボトルキャップの回収体験
もうひとつの新機能は、ボトルキャップ回収の仕組みです。
これまで、循環ガチャを楽しむために複数のボトルキャップを持参される方が多くいらっしゃいました。飲み終わったボトルキャップを自宅で貯めて我々のもとに届けてくださる方々の想いを想像し、「回収」の体験自体を楽しいものにできないかと考えたのが、本機能開発のきっかけでした。
スケールに持参したキャップを載せて、画面の「計測開始」ボタンを押すと、計測結果が表示されます。
音声の仕組みと同様に、本スケールも任意の「ゴール」を設定できるため、地域や学級、会社などのコミュニティ単位で回収目標を設定し、達成度を可視化することが可能です。
今回は「キャップを100個集めよう」というゴールを設定。ボトルキャップの重量を計測し、目標に対してどの程度貢献しているかをリアルタイムで確認できるようにしました。
また、画面右側には「循環豆知識」がランダムで表示されるようになっています。日本で初めてペットボトルが登場したのはいつ、どんなきっかけだったのか、ペットボトル本体とボトルキャップの素材の違いは何か、などペットボトルと循環にまつわる豆知識を多数紹介しています。
ifLink×循環ガチャエンタメ開発チームより
この度、サービス開発にご協力いただいたチームの皆さまのコメントをご紹介します。
新井雅嗣さん(ハートランド・データ株式会社)
普段接点のない方々といっしょに普段作らないものを作るというのもifLinkの醍醐味の一つだと思います。それを今回循環ガチャのプロジェクトを通じて体感させていただきました。ちなみに、私はスケルトン仕様のスケール(はかり)を担当しました。筐体は全部アクリル製なので中の仕組みが丸見えです。重さを量るときに中をのぞいてみてください。
鈴木貴志さん(株式会社ツリーベル)
ifLinkオープンコミュニティは企業の垣根を超えた活動やコミュニケーションができることが一つの醍醐味であり強みです。今回も楽しく参加させていただきました。横浜は青春時代を過ごした思い出の地でもあり、僅かばかりですが貢献できたことを嬉しく思います。作ったアプリも見て触って楽しんでもらえれば幸いです。
武藤幸一さん(学校法人 岩崎学園)
資源循環という意義深い活動を楽しみながら知ってもらうというCircular Yokohamaさんの取り組みに感銘を受け参画し、ガチャを回した回数に合わせてメッセージやファンファーレが鳴る仕組みなどの追加を担当しました。ifLinkを活用しましたので、誰でもアイデア一つでさらに楽しい仕組みを追加できます。ぜひガチャで遊びながらさらなるアイデアを考えていただけると嬉しいです。
濱 陽介さん(株式会社情報システムエンジニアリング)
ひとりの横浜市民として、地域の資源循環に貢献できることを嬉しく思います。ボトルキャップを活かしたアイデアと仕組みが組み込まれた循環ガチャは、ガチャマシンだけどただのガチャマシンではありません。ボトルキャップを持参して、アップサイクルを体験してみてください。
梅原正教さん(京セラ株式会社)
環境問題への意識はあっても、通常業務でそれを実現するのは難しいことが多いです。ifLinkオープンコミュニティはそういった”垣根”を超えて活動できることが大きな魅力のひとつ。共通の目的を持った仲間と活動をともにできたことをうれしく思います。
丸森宏樹さん(ifLinkオープンコミュニティ事務局)
環境問題に貢献する取り組みをifLinkで実現したいという想いから、Circular Yokohamaさんに共感したメンバーが集まり、それぞれの強みを掛け合わせて試作が完成しました。より多くの方にサーキュラーエコノミーを楽しく学んでもらえるよう、工夫を凝らしています。ぜひ、この新しい体験を楽しんでいただけると嬉しいです。
今後の展開と活用予定
今回のEXPO出展を通じ、システム開発やデジタル機器に関心のある多くの企業・個人と出会うことができました。情報発信を専門とするCircular Yokohamaですが、「資源循環」を媒介として新たな領域の人々とのつながりを創出し、楽しい体験を交えて情報を届けられたことを嬉しく思っています。
今後は、「ボトルキャップを100個集めて防犯ホイッスルをつくろう!」のようなプロジェクトを立ち上げ、誰もが資源循環の輪に参加できる仕組みの構築を目指します。また、回収したボトルキャップのアップサイクル作業にも参加できるワークショップの開催や出来上がったアイテムの寄付など、資源の積極的な活用にも取り組んでまいります。
パワーアップしたIoT機能付き循環ガチャは、今後もCircular Yokohamaの拠点「qlaytion gallery」や横浜市内の各イベントで活用し、地域の資源循環と貢献を楽しみながら参加できる場を提供していきます。
お問い合わせ先
循環ガチャは、筐体(マシン)のみの販売やレンタルは行っておりません。イベントの企画運営や出展、共催のご相談は以下のフォームよりお問い合わせください。
Circular Yokohama(ハーチ株式会社)
お問い合わせフォームはこちら
※本記事でご紹介しているIoT機能は、電波や電源量等が最適な条件下のみで作動します。使用環境によってシステムの使用が難しい場合、電源を使用せずに循環ガチャをお楽しみいただくことが可能です。
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