
みなとみらい21地区にて使用済みペットボトルの「ボトルtoボトル」水平リサイクルが開始
- On 2025年2月5日
横浜市は2025年1月、一般社団法人横浜みなとみらい21(以下、YMM)と共同で取り組む使用済みペットボトルを新たなペットボトルに再生する「ボトル to ボトル」水平リサイクル事業の本格運用に向け、「ボトル to ボトル」水平リサイクルを実施することを発表しました。これは、YMMが事業者公募を行い、サントリーホールディングス株式会社をはじめとする企業グループが実施する取り組みです。
みなとみらい21地区では、横浜市とYMMとの共同提案により、2022年4月に環境省から「脱炭素先行地域(※)」に選定され、脱炭素化に関するさまざまな取り組みが進められています。これまで2024年1月下旬から約1か月間、「ボトル to ボトル」水平リサイクルの実証実験に取り組み、同地区での資源循環の推進に向けて検討を進めてきました。
2025年1月29日(水)からは、みなとみらい21地区等の23施設が参画し、「ボトルtoボトル」水平リサイクルを開始します。本事業により、年間約150トンを超える量の使用済みペットボトルのリサイクルが見込まれるとのことです。
※2050年カーボンニュートラルに向けて、「地域脱炭素ロードマップ」に基づき環境省が公募する地域で、2030年度までに「民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の電力消費に伴う CO2排出の実質ゼロ」などの要件を地域特性に応じて実現する地域のこと
「ボトル to ボトル」水平リサイクルとは
「ボトル to ボトル」水平リサイクルとは、使用済みペットボトルを新たなペットボトルにリサイクルすることを目的とした事業です。サントリーホールディングス株式会社が、原材料として使用済みペットボトルを自主的に回収し、再製品化されるまでの一連の工程を統括的に管理します。
リサイクルボックスから回収されたペットボトルは、粉砕・洗浄され、ボトルの原料となるPETにリサイクルされます。そのPET原料を用いてボトルが成形され、新たな飲料ボトルとして使用されるという循環が生まれます。

「ボトルtoボトル」水平リサイクルの仕組み
横浜市の調べによると、この水平リサイクルを行うことで、化石由来原料の使用削減および二酸化炭素約60%削減(従来の化石原料由来ペットボトルとメカニカルリサイクルによるペットボトルの製造工程での二酸化炭素排出量の比較)につながるとのことです。
横浜市では、プラスチックの資源循環を促進するための制度を2024年10月に公表しました。同制度の条件を全て満たす場合は、使用済みプラスチック使用製品を廃棄物ではなく原材料(有価物)として回収することが可能となり、プラスチック資源の循環が促進されます。みなとみらい21地区におけるペットボトルの「ボトルtoボトル」水平リサイクルは、この制度を活用した初めての事業です。
事業概要
実施事業者:
- サントリーホールディングス株式会社(代表企業)
- ecomate有限会社(収集・処理業者)
- J&T環境株式会社(リサイクラー)
- 協栄産業株式会社(リサイクラー)
事業期間: 2025年1月29日~2027年3月31日
※期間満了後は新たに実施事業者を公募の上、継続実施予定
参画施設
以下の23施設で取り組みを開始します。資源循環の推進に向けて、今後も参画施設の拡大を図っていくとのことです。
- 横浜赤レンガ倉庫1号館・2号館
- パシフィコ横浜
- ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル
- 日本丸メモリアルパーク
- 横浜ベイホテル東急
- ヒューリックみなとみらい
- ニューオータニイン横浜プレミアム
- 横浜銀行本店
- みなとみらい二十一熱供給センタープラント
- 一般財団法人神奈川県警友会 けいゆう病院
- OCEAN GATE MINATO MIRAI
- 首都高速道路株式会社 神奈川局
- 横浜メディアタワー
- リーフみなとみらい
- みなとみらいグランドセントラルタワー/MMテラス
- The Apartment Bay YOKOHAMA
- 横浜ブルーアベニュー
- 横浜野村ビル
- 村田製作所みなとみらいイノベーションセンター
- 横浜東急REIホテル
- スカイビル
- 横浜シティ・エア・ターミナル
- 横浜駅東口地下街ポルタ
「ボトルtoボトル」水平リサイクルでは、市民や横浜への来訪者に対し、次のような行動変容を求めているそうです。
- 飲みきる(飲み残しをなくす)
- キャップ・ラベルをはずす
- ペットボトルを必ず分別する(ペットボトル専用のリサイクルボックスに缶・ビンなどペットボトル以外を入れない)
これらの取り組みを促進するため、ペットボトルの正しい分別を呼び掛けるためのポスター、動画などの広報媒体を作成するほか、参画施設での掲示、デジタルサイネージでの投影などを順次実施し、地区の人々に呼びかけを実施していくとのことです。

「ボトルtoボトル」広報ポスター

就業者向け啓発ツール
【参照記事】みなとみらい21地区におけるペットボトルの「ボトルtoボトル」水平リサイクルを開始します!| 横浜市記者発表資料
【参照記事】みなとみらい21地区でペットボトルの「ボトルtoボトル」リサイクル実証実験を開始しました!| 横浜市記者発表資料
【参照記事】自主回収・再製品化事業で使用済みプラスチック使用製品を原材料とする条件
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金田 悠

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