
選んで、描いて、未来をつくろう!コーヒー粕アートで学ぶサーキュラーエコノミー【YOXO FESTIVAL 2025 イベントレポート】
- On 2025年2月6日
SDGsの達成に向けて、多様な主体をつなぎ、 地域課題の解決に導くための中間支援組織「ヨコハマSDGsデザインセンター」では、みなとみらい21地区が環境省の「脱炭素先行地域」へ選定されたことを契機に、サーキュラーエコノミーの推進を目指す「みなとみらいサーキュラーシティ・プロジェクト」を展開しています。
Circular Yokohamaを運営するハーチ株式会社では2024年度より、ヨコハマSDGsデザインセンターに運営主体の一社として参画しており、同プロジェクトの運営を行っています。
本プロジェクトの3年目となる2024年度は、前年に続き「YOXO FESTIVAL 2025」との連携により、イベント「みなとみらいサーキュラーウィークエンド2025」を開催。2025年1月24日(金)〜26日(日)の3日間にわたり、カンファレンス「脱炭素へ皆TRY!みなとみらいサーキュラーエコノミー会議 2025」と、ワークショップ「コーヒー粕と紙の循環アート体験」のふたつのプログラムを、Circular Yokohamaが企画・運営しました。
本記事では、週末に開催されたワークショップと移動式ミュージアムの様子をお届けします。
選んで、描いて、未来をつくろう!コーヒー粕と紙の循環アート体験
昨年の「みなとみらいサーキュラーウィークエンド2024」でも好評だったコーヒー粕アートが、今年はさらに進化しました。2025年は「素材の循環」をテーマに、さまざまな循環資源を活用するアート体験を実施。2日間で延べ152名がワークショップに参加しました。
同じ「紙」でも、その性質は全く違う!サステナブルペーパーを選ぶ
今回用意した紙は、バナナの茎、ビールのモルト粕、国産の竹、洋服のコットン、卵の殻を原料とした5種類のアップサイクルペーパー。参加者は、色や質感、厚みが異なる紙を手に取り、触ったり香りを確かめたりしながら、お気に入りの1枚を選びます。

子どもたちに特に人気だったのは、卵の殻を再利用した「カミシェル」
横浜市内4つのカフェから集めた「コーヒー粕」でアートを描く
次に、コーヒー粕です。今回は、実際のカフェ店舗で使用済みのコーヒー粕を用意しました。ご協力いただいたカフェは、地域ごとに特色のある、横浜市内東西南北の4店舗。
- Tully’s Coffee 星天qlay店(保土ヶ谷区)
- TERA COFFEE 妙蓮寺店(港北区)
- A. Cafe(泉区)
- UCHISOTO CAFE(栄区)
豆の種類や焙煎方法が店舗ごとに異なるため、コーヒー粕の質感や色にも個性が見られます。「このカフェ、行ったことある!」と嬉しそうに選ぶ参加者もいれば、「色が濃くて、絵が際立ちそう」と作品の仕上がりを想像しながら選ぶ参加者の姿も見られました。
こうして参加者が自ら選んだ材料で創るコーヒー粕アート。制作プロセスは次の通りです。
- 選んだ紙に鉛筆で下絵を描き、のりでなぞる
- イラストの上にコーヒー粕をふりかける
- 余分なコーヒー粕を落とすと、立体的なアートが浮かび上がる
家族の似顔絵やYOXO FESTIVAL来場記念の日付、横浜の風景や好きな動物など、アートのテーマは十人十色。中には、「お父さんの誕生日プレゼントにしたい」と、手紙を書く子どもの姿もありました。
感性を大切に選んだ素材とテーマを表現しながら、捨てられるはずの資源が新たな価値を持つことを体験し、参加者の皆さんの表情も自然と明るくなっていました。

会場には、コーヒー粕アート発案者の日本画家・中田晋一さんも駆け付けました
横浜のサーキュラーアイテムが集結!「YOKOHAMA CIRCULAR DESIGN MUSEUM」
ワークショップ会場では、横浜発の循環型アイテムを展示するミュージアム「YOKOHAMA CIRCULAR DESIGN MUSEUM」の展示も開催しました。

ミュージアム見学の様子
例えば、海洋プラスチックをアップサイクルした工芸品「buoy」。見学した方は、「海に漂うと“ごみ”だけど、こうしてアップサイクルすると“アート”になる!」と、新たな価値の創出を体感していました。

海洋プラスチックをアップサイクルした工芸品「buoy」
他にも、工場で使われていた配線コードを編み直して作る「くるり工房」の水引アクセサリーには、「配線コードってこんなにカラフルなんだ!」「配線コードを捨てずにほかのことに使うという発想が新しい!」とそのユニークなアイデアに驚き声が寄せられました。

配線コードで編んだ水引のアクセサリー
開催後記
コーヒー、ビール、洋服、卵の殻、海洋プラスチック…「みなとみらいサーキュラーウィークエンド2025」は、多種多様な循環資源を活かした取り組みを通じて、サーキュラーエコノミーの可能性を体験できる機会となりました。
「捨てるはずだったものが、新しい価値を持って生まれ変わる」
――そんなサーキュラーエコノミーの魅力を、あそぶように学ぶ機会になったのではないでしょうか。
Circular Yokohamaでは引き続き、ヨコハマSDGsデザインセンターとともに、横浜のサーキュラーエコノミー実現に向けた様々な取り組みを企画してまいります。ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました!
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室井梨那(Rina Muroi)
