
TBS SDGsイベント「地球を笑顔にする広場2025 春」にて映画「リペアカフェ」を上映しました【イベントレポート】
- On 2025年6月3日
2025年5月3日(土)~4日(日)にかけて、TBS赤坂サカス広場にてSDGsキャンペーン連動プロジェクト「地球を笑顔にする広場2025 春」が開催されました。
Circular Yokohamaを運営するハーチ株式会社では、5月4日(日)に、オリジナルドキュメンタリー映画「リペアカフェ」の上映会を実施しました。
イベント「地球を笑顔にする広場」とCircular Yokohamaのこれまで
「地球を笑顔にする広場」は、TBSのプロジェクト「地球を笑顔にするWEEK」の関連企画で、楽しみながらSDGsを体験・学習できるイベントです。
Circular Yokohamaでは、2023年春より毎年同イベントに出展しており、プラスチックのアップサイクルをはじめとする資源の循環が学べるワークショップを展開してきました。
ドラマのセットで映画上映。TBSならではの特別な鑑賞体験
3度目の参加となった2025年は、映画「リペアカフェ」の上映およびトークショーを実施しました。
映画「リペアカフェ」は、Circular Yokohamaを運営するハーチ株式会社が制作・配給を行うオリジナルドキュメンタリー作品です。
本作品では、お店では修理を受け付けてくれないような壊れた家電や服、自転車など、あらゆるものを地域のボランティアが無料で直してくれる、オランダ発祥の取り組み「Repair Café」が題材となっており、壊れた家電や衣類を持ち寄った市民が、ボランティアと協力して修理を試みる様子を描いています。ただの修理を超え、「人と人とのつながり」を育むリペアカフェの文化に触れられる作品です。
上映会は、TBSドラマ「御上先生」の撮影で実際に使われていた教室セットにて行われました。

教室のセットを見学に訪れる多くの来場者
ドラマファンや一般来場者、中高生のイベントボランティアなど、多様な層が参加。まるでドラマの世界に入り込んだかのような空間で、「リペアカフェ」を鑑賞する特別な体験となりました。

上映の様子
イベント出展者と語る、「リペア」のこれから
上映後には、TBSアナウンサー外山惠理さんの司会でトークセッションを開催。登壇したのは、本イベントの出展者であり、日ごろからリペアやゼロ・ウェイスト(ごみの出ない暮らし)を推進している方々です。
クロストーク登壇者
・大塚桃奈 さん(上勝町ゼロ・ウェイストセンターWHY)
・平田健夫さん(合同会社CYKLUS / ぐるぐるふくい)
・室井梨那(ハーチ株式会社 Circular Yokohama / IDEAS FOR GOOD編集部)

トークセッションの様子(左から:外山アナ、室井、大塚さん、平田さん)
外山アナはまず初めに、「アムステルダムでは、『リペア(カフェ)』が文化として根付いていることに驚きました」と映画の感想を述べました。Circular Yokohamaの室井が「アムステルダムは東京23区の3分の1ほどの面積ですが、その中に40〜50箇所ものリペアカフェ拠点があります」と補足すると、会場の参加者からは驚きの表情が見られました。
続いて、日ごろから衣類のリペアを中心に活動しているCYKLUS(サイクラス)の平田さん。自身が主催する複数のアウトドアブランドを巻き込んだリペアイベントについて紹介しながら、「リペアを文化として広めていくにはどうすればいいか?」という視点から理想を語りました。
平田さん「アパレルにはさまざまなブランドがあります。現在は、ブランドごとに修理対応や回収プログラムがあったりしますが、今後は企業や団体の垣根を越えて、みんなで直しあえる環境を育てていけたら理想的だと思っています」
リペアが“サービス”ではなく“文化”になるためには、企業と企業、企業と市民の間にある線引きを超え、誰もが参加できる共通の場を育てることがカギになる。そんな示唆が込められた発言でした。
次に、徳島県上勝町にてゼロ・ウェイストを推進する大塚さんは「日常の中でリペア可能なモノを選ぶ」ことの重要性に触れました。この日履いていた靴は、部分ごとにパーツ交換ができる「リペアラブル」なデザインが施されたアイデム。リサイクル率8割を達成する上勝町ですが、靴を含む再生の難しい2割のアイテムの循環方法が課題となっているのだそうです。
大塚さん「以前上勝町を視察に訪れたレザー会社が靴底メーカーとともに、分解できる靴のデザインを提案してくださいました。それをきっかけに、この靴が生まれました。履いているうちに革の色が変わったり、紐の跡がついたり、“育てている”感覚があるんです。それがすごく気に入っています」
大塚さんの言葉からは、「直して使い続ける」ことが単なるメンテナンスではなく、モノへの愛着を深めていく行為として、楽しさや喜びが隠されていることが伝わってきます。
さらに平田さんも、「今日着ている上着の左腕の部分は、自分でリペアしたものです」と語り、洋服につけたアップリケを紹介しました。
リペアは、特別な道具や知識がなくても始めることができる。お気に入りの靴をカスタマイズしたり、破れた服にワッペンを縫い付けたり。そんな小さな一歩から循環型の暮らしはすでに始まっているということを、登壇者それぞれが自身のエピソードを通じて語りました。

参加者の様子
映画で描かれたオランダのリペア文化は、決して遠い国の話ではなく、私たち一人ひとりの身の回りからでも実践できる身近な行動であることを再確認する時間となった、本トークセッション。
終わりには、「次回の『地球を笑顔にする広場』では、ぜひ実際にリペアカフェをやってみたいです!」という外山アナの力強い想いに、登壇者からは「ぜひ実現しましょう」という前向きな声が聞こえました。参加者の多くもワクワクした表情でうなずきを見せました。今回の上映会からどのようなリペアの取り組みが生まれるのか、今後の展開に期待がかかります。
Circular Yokohamaでは引き続き、映画「リペアカフェ」を通じて、モノと人の関係性を見つめ直すきっかけをお届けしてまいります。

登壇者およびイベントスタッフの皆さま
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室井梨那(Rina Muroi)
