【1月13日】食のサーキュラーエコノミー~都市で食の地産地消・循環型農業をどう実現する?〜を開催します
- On 2021年1月7日
※同プログラムは、Circular Yokohamaが一般社団法人YOKOHAMAリビングラボサポートオフィス、NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボと共同で企画運営しています。
横浜を舞台にしたサーキュラーエコノミー学習プログラム
~学ぶ。つながる。循環する。「座学」と「体験」で学ぶ3か月。~
気候危機や資源枯渇、新型コロナウイルス感染症の拡大など様々な社会課題が顕在化するなか、環境負荷と経済成長を分離し、地球の資源の範囲内で社会的な公正を実現し、持続可能な繁栄を目指す「サーキュラーエコノミー(循環経済)」への移行が求められています。
その中でも、2050年には世界人口の約7割が暮らすと想定されており、大量の資源消費や廃棄、格差、感染症など様々な課題を抱える都市がどのように循環型モデルへと移行していくかは世界共通の課題となっています。
横浜では、同市内各地で展開されているリビングラボ活動を支援する一般社団法人YOKOHAMAリビングラボサポートオフィスが中心となり、サーキュラーエコノミーの文脈において語られることが多い「Planet(環境)」「Profit(経済)」だけではなく「People(人々)」の側面にも重点を置いた独自のビジョン「サーキュラーエコノミーPlus」が掲げられ、産官学民が一体となった様々な循環型のまちづくり活動が展開されています。
今回、この「サーキュラーエコノミーPlus」のビジョン実現に向けて、循環型のまちづくりに欠かせない多様な主体同士のつながりの創出、移行に向けた担い手を育成することを目的として、地域の実践者らが主体となったサーキュラーエコノミー学習プログラム「Circular Economy Plus School」を企画しました。
実践者が終結!都市で食の地産地消・循環型農業をどう実現するか、ディスカッション
第2回では「サーキュラーエコノミーplus」が掲げる重点領域の一つ「ローカル・フォー・ローカル」のうち、「食」に焦点を当てます。横浜市内で「食」の地域循環に取り組んでいる方をゲストにお呼びし、横浜ならではの食のサーキュラーエコノミー、地産地消・食を通じた循環型コミュニティの作り方について学んでいきます。
プログラム概要
座学セッション | フィールドワーク | |
開催日時 | 2020年1月13日(水) 18:00~20:30 | 2020年1月16日(土)10:00~15:00 |
参加費用 | 1,500円※学生は500円割引 | 1,500円※学生は500円割引 |
主催 | LOCAL GOOD YOKOHAMA 2.0 実行委員会 Circular Yokohama(ハーチ株式会社)、一般社団法人YOKOHAMAリビングラボサポートオフィス、LOCAL GOOD YOKOHAMA(NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ) |
|
詳細 | プログラムの詳細は公式ページをご覧ください | |
お申込み | Peatixにてお申込みください Peatix URL:https://ceps2.peatix.com/view |
※第2回の座学セッションのみ、フィールドワークのみの申込も可能です。ぜひお気軽にご参加ください。
※ご都合があわず座学セッションに参加できなかった際は後日アーカイブ動画をお送りします。
座学セッション概要
流れ
■イントロダクション(10分):「食のサーキュラーエコノミー」加藤佑氏(Circular Yokohama)
■第1部:ゲストトーク(30分×2)
・「廃棄される海藻を活用した循環型農業と産学連携による地域産品づくり」今村氏・奥井氏・桐山氏
・「地産地消・地域循環の経済効果を可視化する」池島氏
・「コーヒー粕からのセルロースナノファイバーの分離とその利用可能性」川村氏
■第2部:パネルディスカッション60分)
テーマ:「食を通じた循環型コミュニティをどう作る?」
■第3部:ネットワーキング(15分)
ゲスト講師
今村美幸氏(NPO法人アーバンデザイン研究体理事)
2005年より、都市再開発における企画開発や事業推進、不動産コンサルティングに従事。2017年11月国内初の人工知能マンションとして地域課題を解決する持続可能な住宅地モデル事業「横浜MIDベース」(横浜市西区)を開発した。また、2014年からまち(団地・マンション)再生「暮らし再生プロジェクト」をブランディングし、空き店舗を活用して「井土ヶ谷アーバンデザインセンター」を創設した。そして、社会課題をIoT、AI、ビッグデータ、ブロックチェーンなどを活用して新たな商品開発を行う『リビングラボファミリー』や地域循環経済圏を創出する『SDGs横浜金澤リビングラボ』を立ち上げた。
奥井奈都美氏(アマンダリーナ代表)
2014年夏、青みかん(摘果みかん)との出会いを機に、それまで捨てられていた青みかんの美味しさと商品としての価値を見出す。“もったいない!から、おいしい!へ”の思いから立ち上げた「横浜産青みかん商品化プロジェクト」が横浜市地産地消事業に認定され、2015年より事業を本格化。青みかんを活用した様々な商品を開発。2018年法人化。2019年横浜環境活動賞、2020年横浜市食の3Rきら星活動賞を受賞。 町おこし、地産地消、農福連携、サーキュラーエコノミープラスを形にした地域産品、金澤八味の製造を監修。
桐山智氏(横浜市立瀬ケ崎小学校教諭)
SDGsやサーキュラーエコノミーなどの概念を言葉で伝えるのではなく、日々の暮らしや、様々な教科との関連させながら「自分ごと」として捉えられるようカリキュラムマネジメントし、これからの時代を生きる子供たちにとって必要な「繋げて考える力」を街と繋がった学習を通して高めている。
池島祥文氏(横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授)
農業経済学と地域経済学を専門分野とし、近年では、都市農業を対象に地産地消の空間分析を進めたり、地域経済循環の可視化に取り組んだりしています。
川村出氏(横浜国立大学 大学院工学研究院 准教授)
物質の構造解析に有効な固体NMR分光法を駆使し、膜タンパク質をはじめとする生体分子構造解析の研究を専門としている。最近では、植物性の廃棄物の有効利用を探索し、2020年にコーヒー粕から分離したセルロースナノファイバーの構造を明らかにし、コーヒー粕のアップサイクル的な利用を検討している。
モデレーター
関口昌幸氏(横浜市政策局共創推進課担当係長)
2012年から横浜市政策局政策支援センターにて「市民参加型の課題解決の実現」「地域経済の活性化」のためにオープンデータ活用による地域課題解決イノベーションの仕組みづくりに従事。現在は同市政策局共創推進室にて、産官学民の共創による地域課題解決拠点、リビングラボを市内各地で展開。2019年、循環型まちづくりによる公民連携イノベーションモデルとして「サーキュラーエコノミーPlus」ビジョンを策定。
加藤佑(Circular Yokohama / IDEAS FOR GOOD編集長/ハーチ株式会社代表)
1985年生まれ。東京大学卒業後、リクルートエージェントを経て、サステナビリティ専門メディアの立上に従事。2015年12月に Harch Inc. を創業。翌年12月、世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン「IDEAS FOR GOOD」を創刊。現在はサーキュラーエコノミー専門メディア「Circular Economy Hub」、横浜市で「Circular Yokohama」など複数の事業を展開。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー資格保持者。
セッションのみどころ
第2回のテーマは、「食のサーキュラーエコノミー」。横浜というと桜木町・みなとみらいエリアの近代的な街並みを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、実は横浜市内には市域の総面積の約7%を占める3,000ヘクタール以上の農地があり、様々な野菜や果物などが栽培されています。
地域のなかで食の循環を実現させ、地産地消を推進することは、フードマイレージ(食品の輸送距離)の削減に伴うCO2排出量の低下、健康で新鮮な食品の摂取による市民の健康増進、地域経済の活性化など様々なメリットが生まれます。
第2回の最初のゲストは、横浜市南部の金沢区を中心に活動を展開しているSDGs横浜金澤リビングラボの皆さんです。金澤リビングラボでは、廃棄予定のアマモを肥料として活用して唐辛子などの野菜を育て、地元小学生らと共に地域産品となる「金澤八味」を開発するプロジェクトを展開しています。地元農家、小学校、事業者らがどのように連携して地域に恩恵をもたらす循環型の農業プロジェクトを実現したのか、そのストーリーと今後の展開についてお話をお伺いします。また、上記のような地産地消プロジェクトが実際に地域にどのような経済効果をもたらすのかに関する研究結果も公表予定です。
そして、次のゲストは世界で初めてコーヒー粕からセルロースナノファイバー(CNF)の抽出に成功した横浜国立大学の川村出さんです。フードロスを活用したバイオマテリアルの開発はサーキュラーエコノミーにおいて最も注目されている分野の一つです。軽量かつ丈夫で環境にも優しいセルロースナノファイバーは「夢の素材」とも言われており、フィルターやフィルム、自動車部品など様々な分野への活用が期待されています。当日は、この革新的な研究と、コーヒー粕から抽出したCNFを実用化していくうえでの課題など、サーキュラー・イノベーションを形にするための産学連携のあり方や今後の可能性について議論していきます。
【参考記事】廃棄アマモを肥料に野菜を育て、小学生と商品化。横浜・金沢の地域循環型まちづくり
【参考記事】横浜国立大学、コーヒーかすからセルロースナノファイバーを生成。持続可能な生産消費へ
こんな人におすすめ
・食のサーキュラーエコノミーに興味がある方
・都市農業の課題や可能性について知りたい方
・地域の中で食や農をテーマとする循環型プロジェクトを立ち上げたい方
・フードロスを活用したバイオ素材に興味をお持ちの方
・横浜の「食」に関わる実践者とつながりたい方
フィールドワーク
第2回は、廃棄予定の海藻アマモを活用した循環型農業に取り組んでいるSDGs金澤リビングラボの活動拠点となる八景市場と永島農園を訪問し、実践者のお話を聞きながら横浜における食の循環と地産地消、食を通じた地域活性とまちづくりについて学びます。
■ 日時: 1月16日(土)10:00~15:00
■ 場所:八景市場・永島農園
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、中止となる可能性がありますのであらかじめご了承ください。
■コーディネーター:
永島太一郎氏(永島農園)
神奈川県茅ケ崎市生まれの38歳。サラリーマン家庭に育ち新卒で外資銀行→ベンチャー立ち上げから妻の家業である農業を継ぐために農業の世界に入る。2012年よりおひさまシイタケの栽培、2014年より黒宝きくらげの栽培を開始してほぼ通年でキノコの生産から加工販売まで手掛ける。椎茸狩りやBBQ、収穫体験を通じた食育体験にも力を入れる。
平野健太郎氏(八景市場 フードコミュニケーター)
1977年生まれ。生まれも育ちも横浜市金沢区。学生時代は国際ワークキャップというボランティア活動を通じて日本全国のまちづくりに関わる。卒業後は水道技術者として幅広く活動を展開する傍ら、「食」をテーマにした様々なイベントに関わりながら、日本酒の良さを様々な角度から探求するユニット「日本酒ラバース」を結成。2019年1月から新しい賃貸住宅の在り方「コミュニケーションのある暮らし」を軸としたアパートメント「八景市場」をオープン。
サーキュラーエコノミーPlusとは?
サーキュラーエコノミーPlusは、横浜独自のサーキュラーエコノミービジョンです。「Plus」は「人」を意味しており、サーキュラーエコノミーを資源循環や経済成長の視点だけではなく、まちで暮らす人々のウェルビーイングを実現するための手段として捉え、下記の4つを重点領域に定めています。
食や再生可能エネルギーの地産地消、空き家や遊休農地といった地域の遊休資産を活用した循環型のまちづくり、地域全体のウェルビーイングを実現するためのヘルスプロモーション、地域の中に循環経済の担い手を増やすためのパラレルキャリア推進など、多角的な視点からサーキュラーエコノミーを捉え、多様な主体が活動に取り組んでいます。
1)ローカル・フォー・ローカル~地域のものは地域に還す~
地域における資源循環と電力・食の地産地消による気候危機への挑戦
2)サステナブルデベロップメント~持続可能なまち繕い~
空き家や遊休農地など活かされていない空間の有効活用による持続可能な「まち」の実現
3)ヘルスプロモーション~人生100年の時代の健康戦略~
介護、ヘルスケア、スポーツ、生活サービス産業の総合的なプロモーションによる生涯活躍社会の展開
4)パラレルキャリア~会社や学校にとらわれないもう一つの学び方・働き方~
乳幼児から高齢者まで、個人に寄り添うフレキシブルな働き方・学びの場の創出による「ひと」のエンパワーメント
Circular Economy Plus School とは?
Circular Economy Plus School(サーキュラーエコノミープラススクール)は、地域で暮らす「ひと」に焦点を当てた横浜独自の循環型まちづくりビジョン「サーキュラーエコノミーplus」の実現に向けた、地域発のサーキュラーエコノミー(循環経済)学習プログラムです。環境にも人にも優しく、持続可能な循環型のまちづくりに関わりたい人々が産官学民の立場を超えて集い、学び、つながることで、地域の課題を解決し、横浜の未来をつくりだしていきます。
【参照サイト】Circular Economy Plus School
【関連記事】特別対談・前編/横浜の「サーキュラーエコノミーplus」が描く、持続可能な都市の未来
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Circular Yokohama Editorial Team
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