シードと横浜市立大学、コンタクトレンズの空ケース回収活動における協定を締結
- On 2022年10月27日
コンタクトレンズの製造販売を行う株式会社シードは2022年10月、公立大学法人横浜市立大学と「ブリスター回収活動における連携に関する協定書」を締結しました。ブリスターとは使い捨てコンタクトレンズの空ケースを意味し、回収を通した環境保全の遂行やそれらを担う人材の育成、および学生同士のコミュニケーション向上を図ることを目的としています。
ニュースのポイント
- シードが実施する「BLUE SEED PROJECT」にて、カーボンニュートラルと向き合うサーキュラーエコノミーシステムを構築
- 使い捨てコンタクトレンズの空ケースを回収して再資源化し、物流パレットとして半永久的に再製品化
- 学生のグループワークを通して回収アイデアを計画・立案、環境保全に取り組む人材育成やコミュニケーション促進を目指す
産学連携でサーキュラーエコノミーシステムの構築と人材育成を目指す
本協定は、カーボンニュートラルと向き合うサーキュラーエコノミーシステムを構築し、使い捨てコンタクトレンズの空ケース(以下、ブリスター)を回収、物流パレットとして半永久的に再製品化し続ける「BLUE SEED PROJECT(ブルーシードプロジェクト)※」において、シードと横浜市立大学との連携のもと、ブリスター回収を通した環境保全の遂行やそれらを担う人材の育成、および学生同士のコミュニケーション向上を図ることを目的としています。
協定の概要
- 学生ボランティアによるブリスター回収活動
- ブリスター回収活動に係る情報発信
- その他ブリスター回収活動に関連する必要事項
※BLUE SEED PROJECT:2019年6月、シードが開始したプロジェクト。シードの活動に賛同している眼科やコンタクトレンズ販売店等に回収ボックスを設置し、自社製品を問わず、コンタクトレンズ関連の廃棄プラスチック材を回収。収集された廃プラスチック材はヴェオリア・ジェネッツ株式会社により再資源化され、物流パレットとして製品化されます。収益は、海洋ごみ問題解決に向けて活動している一般社団法人JEANに全額寄付されています。
学生のグループワークを通し、回収量を増やすアイデアを立案・実行
横浜市立大学では、より多くのブリスターを回収することを目的とする学生のグループワークを実施。グループワークではブリスター回収ボックスの設置方法や、回収活動における本プロジェクトの認知度向上、回収量を増やすための仕組み等に関するアイデアを話し合い、立案・実行します。今後は定期的なグループワークやオンラインミーティングを通し、環境保全を担う人材育成や地域活性化に資するため、産学で連携していく予定とのことです。
サーキュラーエコノミーを実現するにあたり、パートナーシップは重要な鍵を握っています。産学連携において、企業は自社にはない人材や研究結果等のデータを活用でき、大学などの教育機関は、消費者や企業のニーズを的確に捉え、研究を実用化できる等のメリットがあります。
また、本件においては「使い捨てコンタクトレンズの空ケース」という一般消費者にも身近で、かつ継続的に使用・廃棄される商品を題材に用いて、若い世代への認知拡大や人材育成を行えるという点においても、どのようなアイデアが実施されるのか注目が集まります。
横浜市立大学によると、この活動は授業で行っているものではなく、学生たちが自ら団体を作り、ボランティアで取り組んでいるといいます。9月末から回収ボックスの設置を始め、SEEDのアドバイスを得ながら活動をブラッシュアップしているそうです。
参加している学生からは「回収した沢山のブリスターを目にして、一人ひとりの小さな意識の積み重ねがいかに重要であるかを身に沁みて感じた」、「一人ひとりが持つ地球環境への想いがチームメンバーや参加者の協力によって形として表現され、可視化されていく過程を見るのが楽しい」等の声が上がっており、今後は本活動の周知・啓発を目的としたイベント等を予定しているとのことです。
Circular Yokohamaでは、今後もサーキュラーエコノミー推進を目的とした産学連携の事例を追っていきます。
【参照サイト】コンタクトレンズのシード×横浜市立大学 コンタクトレンズの空ケース回収活動における協定を締結
【参照サイト】株式会社シード
【参照サイト】公立大学法人横浜市立大学
【参照サイト】BLUE SEED PROJECT
金田 悠
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