
横浜市、「サーキュラーエコノミーPlus」の事例を紹介するインタビュー動画を公開
- On 2025年8月21日
横浜市政策経営局では、モノや資源を循環させる「サーキュラーエコノミー」に人の視点をプラスして環境・経済・社会の調和による持続可能な発展と市民のウェルビーイングの実現を公民連携で目指すビジョン「サーキュラーエコノミーplus」を掲げ、多様な民間主体と連携し、サーキュラーエコノミーの推進に取り組んでいます。
この度、サーキュラーエコノミーplusの具体的な取り組みとして、「養蜂と園芸・フラワーループプロジェクト」「横浜オリーブプロジェクト」「京急沿線プロジェクト」「竹山団地プロジェクト」の事例を紹介したインタビュー動画が横浜市政策経営局共創推進課より公開されました。本記事では、各動画の概要と、Circular Yokohama編集部から見た各プロジェクトの注目すべきポイントをご紹介します。
サーキュラーエコノミーplusとは
SDGsの17の目標の全てをバランス良く達成するために、環境・経済・社会の調和による持続可能な発展と市民のウェルビーイングの実現を公民連携で目指すビジョンです。
ローカル・フォー・ローカル、サステナブルデベロップメント、パラレルキャリア・ディーセントワーク、ヘルスプロモーションの4つの領域があり、公民連携・イノベーションによってその4領域全てを横断的に実現するというモデルになっています。

横浜が掲げる「サーキュラーエコノミーplus」
「サーキュラーエコノミーplus」推進に向けた具体的な取り組み
サーキュラーエコノミーplusを推進するため、リビングラボや共創ラボ、よこはま未来の実践会議などを通じて、商店会や自治会・町内会、地元企業、NPO、学校教育機関など多様な民間主体が行政と連携しています。また、市内各地でこどもから高齢者まであらゆる世代が取り組みに参画しています。
多様な民間主体と行政が連携した活動には以下のような事例があります。
養蜂と園芸・フラワーループプロジェクト
横浜市瀬谷区で進む「養蜂と園芸・フラワーループプロジェクト」は、養蜂を通じて循環型のまちづくりを目指す「セヤミツラボ」、横浜市立上瀬谷小学校、神奈川県立横浜瀬谷高等学校、就労継続支援事業所「ぱんの木」、一般社団法人横浜すぱいすなど、教育機関と地元企業・団体が行政と連携し、地域循環型経済モデルを実践する取り組みです。
都市型養蜂で生まれる「瀬谷ハチミツ」と、GREEN×EXPO 2027のゲートウェイとなる海軍道路を花で彩り、花を起点とするさまざまな循環に取り組む「フラワーループ」の活動を組み合わせ、生態系保全と地域のブランド化、市民の共創を推進しています。教育・福祉・環境を一体化し、2027年のGREEN×EXPOを見据えた持続可能な地域モデルを創出する活動です。
横浜オリーブプロジェクト
一般社団法人横浜資産研究開発機構が行う「横浜オリーブプロジェクト」では、これまで市内において5〜6万平米の休耕農地をオリーブ畑に転換。働く人や堆肥など、すべて横浜産の地域資源を使ってオリーブを育て、収穫・搾油し、オリーブオイルなどを商品化しています。
本プロジェクトでは、市内の小学校におけるキャリア教育の教材として育てたオリーブを提供。100年、200年続く持続可能な農業を目指すことに加え、地域の子どもたちの教育機会にもつなげています。
「横浜オリーブプロジェクト(農業と福祉編)」の動画では、緑区の有限会社串田設備 横浜オリーブ事業部の取り組みを紹介。
栽培には、剪定枝でつくられた堆肥「はまっ子ユーキ」を使用し、地域資源を無駄なく循環。共生社会の実現のため、オリーブの栽培から加工、販売において高齢者や女性、障害者の雇用促進に取り組んでいるといいます。
京急沿線プロジェクト
「京急沿線プロジェクト」の動画では、鶴見区・鶴見銀座商店街における子ども・若者による共創事例や、他の商店街との連携イベントなど、京急沿線エリアでの取り組みを紹介しています。
大学生による小学生向けワークショップ、小学生と飲食店が協力したオリジナルおにぎり販売、アスリートによるスポーツ体験などを通じて、世代や地域をつなぎ、子どもたちが「昔のように遊べるまち」を体験できる場を創出。商店街のつながりや京急電鉄のPR力を活かし、市民のシビックプライドを醸成しつつ、地域経済を活性化させています。
⽵⼭団地プロジェクト
緑区の「竹山団地」では、神奈川大学サッカー部の学生が団地を学生寮のように活用し、地域活性化を目指す活動を展開。神奈川県住宅供給公社や竹山連合自治会と連携し、団地内センター地区の空き店舗を改修して介護予防を目的とした健康スタジオや、多世代交流の拠点を整備。学生が施設運営を行い、世代を超えた交流を促進しています。
高齢化が進む団地で住民の笑顔とウェルビーイング向上を目指す、人を中心に据えた「サーキュラーエコノミーplus」の理念を実践する事例です。
サーキュラーエコノミーplusの取り組みの発表・発信について
公民連携による「サーキュラーエコノミーplus」の取り組みについては、市は「サーキュラーエコノミーplus×EXPO」の開催などを通じて、市内外に発信を行っています。
横浜市では、2025年4月より脱炭素・GREEN×EXPO推進局において「循環型社会推進課」が設けられるなど、サーキュラーエコノミー推進に向けた動きが加速しています。Circular Yokohamaでは今後も、サーキュラーエコノミーに関するニュースを追ってまいります。
本件に関するお問い合わせ先
横浜市 政策経営局共創推進室共創推進課
電話:045-671-4391
FAX:045-664-3501
メールアドレス:ss-kyoso@city.yokohama.lg.jp
【参照サイト】サーキュラーエコノミーplus(横浜版地域循環型経済ビジョン)
【参照サイト】花から地域に循環を生み出そう!| STYLE 100
【参照サイト】横浜オリーブプロジェクト
【参照サイト】竹山団地プロジェクト
【関連サイト】横浜共創コンソーシアム
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金田 悠
