ファブラボみなとみらい、アクリルパーテーションを利活用する「Reアクリルデザインアワード」を開催
- On 2023年8月1日
神奈川大学みなとみらいキャンパス1階の「ファブラボみなとみらい」では、キャンパスで使用していたアクリルパーテーションを用いて新たな作品を生み出す取り組みを2023年5月22日に開始しました。
それに伴い、2023年5月23日より「Reアクリルデザインアワード」として、神奈川大学生を対象にアクリル板を再利用した作品を募集し、グランプリを決めるイベントを同時開催しました。
本記事では、イベントの概要と応募作品を写真付きでご紹介します。
廃棄されるアクリルパーテーションに新たな価値を
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行し、飲食店など各所に設置された飛沫防止のためのアクリルパーテーションが大量に廃棄されることが予測され、新たな社会課題となっています。
そこで、神奈川大学みなとみらいキャンパス1階で運営する「ファブラボみなとみらい」では、キャンパスで使用していたアクリル板を再利用し、素材として活用する新たな取り組みが行われています。アクリル板は、ファブラボみなとみらいのスタッフが洗浄し、デジタル機械で加工しやすいサイズにカットした状態で、学生を含めたラボのユーザーが自由に活用できます。
学生たちのアイデアが光る!「Reアクリルデザインアワード」
ファブラボみなとみらいでは、神奈川大学の学生を対象にアクリル板を再利用した作品を募集し、グランプリを決める「Reアクリルデザインアワード」を開催しました。レーザー加工機やUVプリンターなどの工作機器を用いて、自由に作品を制作・出品することができます。
Re アクリルデザインアワード
- 応募条件:
・神奈川大学の学生
・パーテーションに使われたアクリル板を使用していること - 審査員・審査方法:ファブラボみなとみらい利用者の方。ラボを訪れた方に作品をご覧いただき、1人1票、いいアイデアだと思った作品に、いいね!をつける
- 賞:グランプリ(1点)
グランプリの方の作品は6月20日(火)にラボのSNSで発信 - 作品募集期間:5月23日(火)~6月9日(金)
- グランプリ結果発表:6月20日(火)
※既に募集・投票は終了しています。
※このアクリル板は、中性洗剤で洗浄し加工しやすいサイズにしたものです。
出展作品の紹介
学生たちのアイデアが光る作品の数々は、細部まで工夫が施されています。ここでは、その出展作品と作者のコメントを紹介します。
エントリーナンバー1 『シースタンド』
アクリル板を使って水面を表現したジュエリーケースを作りました。レーザーカッタの掘りを使って波の部分を表現しアクリル板の半透明を生かして水の透明感を表現しました。アクリルの魅力である涼しげな透明感を生かすことができたと思います。
エントリーナンバー2 『2024 Calendar』
アクリル板を使って作成した2024年のカレンダーです。表と裏の両方を使用することで、奥行きを出しました。表の羽の雰囲気とあうようにピンクで染めてかわいい感じに仕上げました。
エントリーナンバー3 『クラゲの音色』
夏に近づいてきて暑くなってくるので、涼しく感じられるようなものを作りたいと思い風鈴をイメージしてみました。コロナの終息もあり人との関わりも増えて、前の日常に戻りつつある中で風に揺れながら動くクラゲを見ることで少しでも癒しを感じられたら嬉しいです。
エントリーナンバー4 『くらげです。』
夏が近づいてきたのでクラゲをテーマに作品をつくりました。コロナの影響でクラゲのように透けてしまった夏もありましたが今形にすることでこれからは消えない大切な思い出をつくれるお守りになるようにとつくりました。
エントリーナンバー5 『ひまわり』
アクリル板ごしで暗い気持ちになるときもあったけれどひまわりのように明るい気持ちに照らしてくれる存在になってほしいと思いつくりました。
エントリーナンバー6 『カトラリー』
先日、知人と食事へ行った際のことを思い出しながら作成しました。アクリル板もやり方次第では、柔らかくなる性質を活かしつつナイフやフォーク曲げをイメージしながら作成しました。本作品は、あえて膨刻はせず、染色もシンプルなモノになっています。ぜひ、ご覧ください。
エントリーナンバー7 『6月の雨』
6月は雨の日が多く、その雨から連想させてこの作品を作りました。思っていたよりも上手く色が染まってくれました。この色のように明るい気持ちになれれば、良いなと思います。花びらのサイズもエ夫しました。
エントリーナンバー8 『星降る時計』
星空のタイムラプスをイメージした時計盤を作成しました。星の軌道やローマ文字はレーザー彫刻で表現し、染料で文字盤を染め上げました。台座部分は雲をイメージしています。時間に追われがちな現代社会ですが、この時間でゆったりとした時の流れを感じてみませんか。
エントリーナンバー9 『生活の中の甘美』
本来はオブジェクトとして無機質なモノに自然や躍動感などを絡めて、あたたかみを持たせることが私の作品づくりのコンセプトです。かつてはパーテーションとして人々の間に壁をつくっていたモノが、花に生まれ変わることで視覚的に皆へ癒しを与え、コミュニケーションのきっかけになれば幸いです。
エントリーナンバー10 『雨』
一つ一つの花びらはどれも異なる柄であじさいの個性を出しました。みんなみてネ〜
エントリーナンバー11 『海ハンガー』
高熱でヒートガンで当てることで泡を表現しました。使った色はオレンジ・賞・ピンク・赤・緑・青ととにかく多くの色を使ってグラデーションにこだわりました。実用的な形にするために作った凹みもオススメです。
エントリーナンバー12 『波定規』
コロナが収束の兆しを見せ、すでに不要になってしまったアクリルパーテーションを有用な定規へと作り替えました。平安時代から日本人に親しまれている和柄の中の青海波と呼ばれる模様をあしらい、親しみやすくも近未来的なデザインを心がけました。
エントリーナンバー13 『つぶつぶハンガー♡』
可愛い洋服を可愛いハンガーにかけたくて私の好きなハート型と、ヒートガンであえてつぶつぶの柄にしました。黄色からピンクになるグラデーションとクネクネの形も特徴です。
エントリーナンバー14 『護り印』
デザイン性もありつつ何か役立つもの….と考え、今回のものを思いつきました。我が家は玄関に印鑑が無くいつも困っていたことが発想元です。馬のデザインと円柱の複雑さにこだわりました。
エントリーナンバー15 『pura sushi プラ寿司』
ファブラボみなとみらいへお越しの皆様こんにちは、私たちは他の人が格好良い作品を作る中で、可愛いお寿司の横型を製作しました。競合のいないブルーオーシャンです。寿司だけに・・・・・・
P.S.ちなみにこれを書いている人は鮮魚食べられないです。
エントリーナンバー16 『つなぐ、おもい』
よく見ると、ひらがなの“つなぐ、おもい”という文字のみで、人と人とが握手している様子をプリントしました。コミュニケーションの壁となったアクリルパーテーションが、次は新しいつながり” を生むものへと、変化する様子を表現しました。
作品は計16作品集まり、6月20日にグランプリが発表されました。ラボを訪れた方約100人の審査・投票の結果、グランプリに輝いたのはエントリーナンバー9『生活の中の甘美』でした。
取材後記
6月開催ということもあり雨をテーマにした作品が多く出展されていました。そのような中印象的だったのは、「明るい気持ちになってほしい」「人と人とが繋がってほしい」というコンセプト。コロナ渦という辛抱が続いた期間を共にしたアクリルパーテーションで、明るい未来の創造を担いたいという学生たちの想いです。
ただパーテーションを再利用するだけでなく、学生たちの「人々に少しでも幸せな気持ちになってほしいという」願いが込められていました。
ファブラボみなとみらいでは、引き続き一部作品を展示しています。また、アクリルパーテーションを素材として自由に活用できる取り組みも引き続き実施中です。「作品を観てみたい!」「自分も何か作ってみたい!」という方は、ぜひみなとみらいキャンパス1階ファブラボをおたずねください。
アクリルパーテーションが、皆さまのアイデアで素敵な作品に生まれ変わることを楽しみにしています!
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