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人にも地球にも優しいサステナブルな石鹸を。太陽油脂、創業101年目の決意

  • On 2020年12月21日

今から約5000年以上前、紀元前の古代ローマで生まれたとされる石けん。現代社会で洗濯や食器洗いに用いられる洗剤の多くは化学的に合成された石油由来の合成洗剤ですが、100%天然成分から製造される石けんは、地球にも生き物にも優しいことをみなさまはご存知ですか。

今回Circular Yokohamaでは、横浜で100年以上前から事業を行い、80年にわたって天然原料にこだわった石けん作りを行っている太陽油脂を取材。原料購買・CSR推進グループより東山俊明(ひがしやま・としあき)さん・堀江菜月(ほりえ・なつき)さん、石けん・化粧品カスタマーソリューショングループより矢田馨(やた・かおる)さん・平子健太(たいらこ・けんた)さんに、企業のSDGsやサステナビリティへの取り組みが注目を集めるなか、その取り組みを牽引する太陽油脂の事業のこだわりと秘訣を伺いました。

事業の始まりはコプラの搾油

太陽油脂誕生の歴史は1919年にまで遡ります。ココヤシの実の胚乳 (はいにゅう) を乾燥させた「コプラ」から搾油したことが、太陽油脂の前身企業である東京搾油株式会社の始まりでした。そして1939年、日本海軍が海上で使うための石けんを作り始めたことから石けん作りを事業としてスタートします。

コプラを運び入れる様子

その後第二次世界大戦を経た1947年、太陽油脂株式会社として再発足し、石けんシャンプーの商標を「パックス」と定めます。戦後の高度経済成長期は、洗濯機が一般家庭に急速に普及し洗濯用洗剤による水質汚染が深刻化していたため、太陽油脂は地域の婦人会や生協といった団体と共に川や海の汚染を食い止めるために、より環境に優しい石けんを積極的に活用しようと取り組んでいました。

そして1950年には石けんの製造に加え、食用のショートニング製造を実用化し販売を開始します。

それから今に至るまで、製品製造の品質や安全性に関する国際規格であるISO認証や製品に使用するパーム油の持続可能性を保証するRSPO認証などを取得しながら石けん・化粧品事業と加工油脂事業に取り組んできました。

フレッシュで、人にも地球にも優しい石けん

太陽油脂の石けん・化粧品の最大の特徴は、石油由来原料を使用しない植物油脂から作られている点です。太陽油脂の石けんは植物由来の成分を使用しているため、液体石けんでは約100℃の熱を用い、固形石けんでは自然に発生する反応熱のみを使用して製造します。そのため、せっけんの製造に余分なエネルギーを消費しない、エコな方法なのです。

1989年に販売を開始した「パックスナチュロン」石けんシリーズ

このような地球に優しい特徴を持つ太陽油脂の石けんは、国際的な認証によって認められています。

2011年にRSPOへ加入した太陽油脂は、さらに2015年からはRSPOのマークを表示した石けん・化粧品の販売を行っています。RSPOとは、持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil)の略称で、熱帯林破壊や労働者の人権問題などを引き起こしているパーム油の農園開発を持続可能なものにすることを目的とした、国際的な非営利組織です。RSPOの報告によれば、日本国内のRSPOへの加盟数は221にのぼっており(2020年12月現在)、なかでも太陽油脂は国内で11番目という早さで加盟しました。そして、RSPOの認証ではパーム油の原産地となるアブラヤシ農園での搾油から精油、製品製造、小売店での販売に至るまでの全工程が整備されており、かつ追跡可能である場合に認証を受けることができます。

堀江さん「太陽油脂がRSPOへの加入を検討し始めた2009年頃に、パーム油の生産が生産国の環境に与える影響について議論される機会が増えており、『太陽油脂もパーム油を使用している一企業ではないか』という心配のお問い合わせがありました。そこで、当時は日本国内での加盟団体は少なかった時期ではあったものの、会社として問題意識を持ち、2011年にRSPOへ加入しました。」

そして環境への配慮に加え、人にとっても安心・安全な製品を作ることが求められる昨今、太陽油脂ではそのようなニーズの移り変わりに対応する新たな技術開発にも取り組んでいます。

平子さん「納豆菌の仲間を発酵させて作られるサーファクチンを天然由来の界面活性剤として使用する研究を進めています。サーファクチンの存在は1968年には発見されていましたが、粉状であるという特性から工場で使用しづらい素材としてなかなか開発が進んできませんでした。太陽油脂では、そんなサーファクチンをジェル状にした『サーファクチンプレミックス』という原料を開発し、ここ数年で製品製造に利用できる形に仕上げました。現在はクレンジングジェルや化粧水、スキンケアシリーズの原料として実際の商品化を提案しています。」

太陽油脂が扱う界面活性剤は自然界由来の「天然界面活性剤」で、環境負荷が低いだけではなく人の肌にも優しい素材なのです。

食品にもサステナブルな油脂を

石けん・化粧品事業に加え、太陽油脂ではもう一つの事業の軸である食用加工油脂事業においても、顧客からのRSPOの需要に対応しています。食用加工油脂とはマーガリンやショートニングなど食用に加工された油のことで、太陽油脂では1950年にショートニングの製造販売を開始して以来、パンやホイップクリームなどに使用する油脂を製造し、製菓メーカーや乳業メーカーなど多くの企業と取引をしてきました。現在は、一般的に流通しているアイスクリームやカップ麺に加工されて消費者のもとに届いています。

太陽油脂の油脂製品ブランド「ココリン」

堀江さん「数年前、大手スーパーマーケットなど小売企業が『企業としてサステナビリティに取り組んでいく』というコミットメントを掲げました。それを受けて、食品メーカーもよりサステナブルな原料に切り替える動きがあります。そのようにして芋づる式にあちこちの企業が環境負荷低減や持続可能性の追求を始めました。」

そうした動きのなかで、特にRSPO認証を取得している持続可能なパーム油の使用には注目が集まっています。太陽油脂には、パーム油と環境問題に関する情報提供の要望や認証取得に関する他企業からの相談も寄せられており、国内における持続可能なパーム油の普及のために他企業やNPO、NGO、関連省庁とも協力していきたいといいます。

消費者ともつながって、一丸となって取り組むSDGs

太陽油脂では、消費者とのつながりを強化し太陽油脂の製品が環境に優しいことを知ってもらうことを目的に、官公庁や教育機関と協働で石けん教室や出張授業にも取り組んでいます。

中学生を対象に行われた石けん教室の様子

矢田さん「10年ほど前に始めた石けん教室の取り組みですが、最近では特に若年層の環境意識の高さを感じる機会が増えています。例えば、小学校では2020年度本格実施の新学習指導要領にSDGsが盛り込まれており、学校でも環境教育に積極的に取り組む流れが生まれています。」

堀江さん「高校生や大学生もSDGsについて深く勉強している方も多くいらっしゃいます。特に大学生では環境を専門としている学生も多く、企業に求める環境貢献のレベルが一層高まっていくだろうと感じています。今後は、SDGsやサステナビリティについて『知らないから』と疎かにできることではないのだと、改めて危機感と責任感を持って活動する理由になっています。」

太陽油脂は教育機関との協働の一環として、横浜市の地球温暖化対策の一つである市民参加型プロジェクト「ヨコハマ・エコ・スクール(Yokohama Eco School、通称YES)」の協働パートナーや、SDGsの達成に向けて事業者と市民の連携を促す「ヨコハマSDGsデザインセンター」の会員に登録し、横浜市内の人々とのつながりの構築にも積極的に取り組んでいます。また、2年前には消費者庁からの声掛けでエシカル消費を推進するイベントで「環境にやさしいせっけん作り」のワークショップを行いました。

矢田さん「石けん教室や出張授業を通して、環境に配慮した製品を買うことで誰もがSDGsやエシカル消費に貢献できるということを知ってもらえたら、という思いで前向きに活動しています。」

企業全体をサステナブルに

2019年には東京搾油株式会社の発足から100周年を迎えた太陽油脂。SDGsやサステナビリティという言葉や概念が社会でより広く認められるようになるにつれ、企業としての社会貢献やサステナビリティ推進の重要性も高まっているといいます。

そこで、これまでの環境に対する取り組みを一層強化するため社内の組織を見直し、2020年4月には太陽油脂初となるCSRの部署を設置しました。これまで重点的に取り組んできた製品作りを通した環境配慮だけではなく、貧困問題やジェンダー平等といった目標にも横断的に取り組んでいきたいといいます。

堀江さん「近年消費者から求められる環境や社会貢献のレベルが高まっていることを実感しています。これをきっかけに、改めて企業としてできることを見直したり社内教育を強化したりする必要性を感じ、CSRの部署が立ち上がりました。社内文化として根付いている『人にやさしく地球にやさしく』のモットーを土台に、全社をあげて社会や自然の持続可能な発展に貢献していきたいです。」

さらに今後はプラスチックと環境汚染の問題にも取り組むことを目指しています。

東山さん「使い捨てられるプラスチックの問題に関して連日様々な報道に触れ、その度にとても悲しい気持ちになります。これまで太陽油脂では製品の中身となる油脂自体の品質を研究してきましたが、これからはその容器の環境配慮にも目を向けていかなければならないと自覚しています。」

堀江さん「具体的に、プラスチック容器の回収と再利用に挑戦してみたいと考えています。例えば、回収した容器を洗浄して中身を再充填したり、使用済み容器を活用して別の製品にリサイクルしたりする仕組みを作りたいです。」

矢田さん「とある小学校の手洗い場で、石けんをいれる大きなタンクに児童たちがジョウロを使って液体石けんを補充しているところを見ました。一般家庭でも同じような石けん補充のスタイルを適用できれば、プラスチック容器が不要になる日が来るかもしれません。そういった生活環境の部分にもアプローチできたら良いと思っています。」

さらに、2050年には事業で使用する電力の100%再生可能エネルギー化を目標に掲げる太陽油脂。消費者やメーカーとのつながりを大切にするその取り組みに、今後も期待がかかります。

左から 東山さん、堀江さん、平子さん、矢田さん

編集後記

東京搾油株式会社の創業から数えて101年目を迎えた太陽油脂は2020年、企業としてサステナビリティに取り組む専門部署を設置しました。取材では、これまでにも石けんや化粧品、食用油脂の製造を通して様々な社会貢献に取り組んできた企業として、改めてサステナビリティに真剣に向き合っていこうという強い決意と志を感じる貴重なお話を伺うことができました。

消費者とのつながりを大切に社会全体でサステナビリティに取り組んでいこう、という太陽油脂の考え方はサーキュラーエコノミーの実現において欠かせない視点の一つです。消費者や他企業とのつながりに前向きな太陽油脂と共に、ぜひSDGsのゴール達成に向けて取り組んでみてはいかがでしょうか。

Circular Yokohamaでは、今後も横浜市内の循環型の取り組みや共創を応援します。

 

【参照サイト】太陽油脂株式会社 公式ホームページ
【参照サイト】WWFジャパン
【参照サイト】ヨコハマSDGsデザインセンター
【参照サイト】RSPO
【参照記事】YESとは 横浜市
【参照記事】消費者庁 「SDGsWeek エコプロ2019~持続可能な社会の実現に向けて~」に出展しました。

  • CSR, SDGs, サステナビリティ, サステナブル, パーム油, 再生可能エネルギー, 太陽油脂, 循環型社会, 循環型経済, 横浜, 気候危機, 気候変動, 自然エネルギー
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室井梨那(Rina Muroi)

横浜出身。幼い頃から自然食やエコな暮らしに興味を持ち、学生時代には日本の伝統食を学ぶ。その後アメリカで1年間を過ごし、帰国後は日本のサステナビリティを国内外に向けて発信している。

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