ハーチ株式会社、公益性の高い企業に与えられる国際認証「B Corporation™」を取得
- On 2023年5月10日
神奈川県横浜市における地域循環経済推進メディア・プラットフォーム「Circular Yokohama」を運営するハーチ株式会社(所在地:東京都中央区、代表取締役:加藤佑)は、2023年4月、公益性の高い企業に与えられる国際認証「B Corporation™」(以下、B Corp™認証)を取得しました。
ハーチ株式会社のB Corp™認証URL:Harch Inc.
B Corp™認証取得の経緯
ハーチ株式会社では「Publishing a better future(よりよい未来を、みんなに届ける)」をミッションに掲げ、Webメディア運営事業と企業・自治体向けサステナビリティ・サーキュラーエコノミー支援事業を手がけています。
2015年12月の創業以来、サステナビリティ領域に関する専門性とグローバルなネットワーク、Webメディアの構築力を強みに、サステナブル・ビジネス、サーキュラーエコノミー(循環経済)、英語教育、金融、サステナブル・ライフスタイル、サステナブル・ツーリズムなど複数領域において現在9つのWebメディアを開発・運営しています。
メディア運営にあたっては「コンストラクティブ・ジャーナリズム(建設的ジャーナリズム)」の考えを重視し、社会が直面する課題だけではなく解決策にも焦点を当てながら、情報発信を通じて個人と社会にポジティブなインパクトを生み出すことを目指してきました。
2020年以降は、社会をよりよくする優れたアイデアを形に変えていくために、企業・自治体向けのサステナビリティ・サーキュラーエコノミー支援事業を開始。2021年には欧州在住メンバーによる事業組織「Harch Europe(ハーチ欧州)」を設立し、欧州企業との連携によるイベント企画や現地の取り組みに関するリサーチ・レポーティング、視察手配、メディアを通じた情報発信などを通じてサステナビリティの文脈から欧州と日本をつなぐ役割を果たしています。
当社では、これらの事業と連動する形で自社のサステナビリティ推進に取り組んでいましたが、その中で新たなサステナビリティ経営の実現に向けたガバナンス・マネジメントツールおよびステークホルダーの皆様とのコミュニケーションツールとしてのB Corp認証の可能性に着目し、2019年より認証取得に向けた活動を開始。社内外の様々なステークホルダーの皆様からご協力をいただき、今回の取得にいたりました。
B Corp™認証とは?
B Corp™認証は、社会や公益のための事業を行っている企業に発行される国際的な民間認証制度です。アメリカ・ペンシルベニア州に拠点を置く非営利団体B Lab™が2006年から運営しており、独自の指標であるBIAスコアを基に認証を行っています。主な取得企業にはアウトドアブランドのpatagonia(米)、食品メーカーのダノン(仏)、靴メーカーのAllbirds(米)などがあります。2023年5月8日現在、世界の取得企業は6,400社以上ですが、日本の取得企業は23社となっています。
評価された取り組み
ハーチ株式会社は、B Corp™認証において総合評価(BIAスコア)101.3点を獲得しました(80点以上で取得)。評価につながった取り組みについて、サステナビリティの重点項目にしているPeople(社会)、Planet(環境)、Prosperity(持続可能な成長)の3つの視点から、Circular Yokohamaで取り組みを行っているものを中心にご紹介します。
【People(社会)】
地域コミュニティとの共創:
神奈川県横浜市における地域循環経済推進メディア・プラットフォーム「Circular Yokohama」では、行政、地域企業、地域の教育機関、リビングラボ、NPO、市民の皆様など多様なステークホルダーの方々との産官学民共創により、循環をテーマとするイベントやワークショップ、学習プログラム、展示会の企画・運営、各種プロジェクトを展開しており、地域の皆様とともに循環型都市への移行に取り組んでいます。
学校教育への貢献:
キャリア教育の一環として、サステナビリティやサーキュラーエコノミーなどをテーマとする学校での出張授業や修学旅行のコーディネート支援、大学との共同プロジェクトなどを実施しています。これまでに国内外の小学校・中学校・高校・大学含め多様な教育機関において学習支援を行ってきました。
【Planet(環境)】
ゼロカーボン:
2019年度よりカーボン・ニュートラル(Scope1・2)を実現しており、2020年度からは、Webメディア運営に伴うサーバーの電力使用や取材活動のための移動に伴うCO2排出なども含め、温室効果ガスの排出削減およびカーボンオフセットを通じてScope3も含めてカーボン・ニュートラルによる事業運営を行っています。また、2020年4月からはフルリモート勤務となり、電力使用がオフィスから従業員の自宅へと移転したことを受け、現在では再エネ100%電力を自宅で導入した社員・パートナーへの補助も行っています。
【Prosperity(持続可能な成長)
寄付プロジェクト「UU Fund」:
2020年度から、ハーチが運営するWebメディアの1UU(ユニークユーザー)につき0.1円をNPO団体に寄付する取り組み「UU Fund」を運営しています。読者を増やせば増やすほど、環境や社会がよりよくなっていく仕組みを作りたいという思いからスタートしました。この仕組みにより、読者はただ記事を読むだけで社会貢献をすることができます。寄付先については各メディアの編集部メンバーが候補先を選定し、議論の上で決定しています。2021年度は総額2,236,674円を38団体に寄付しました。
ハーチ株式会社 代表取締役 加藤佑のコメント
このたび、ハーチ株式会社としてB Corp™認証を取得し、B Corp™コミュニティの一員になれたことを心より嬉しく思っています。今回のB Corp™取得は、日頃より弊社の事業を支えてくださっている読者やパートナー、お取引先の皆様なくしては実現しえなかったものであり、皆様にはこの場を借りて心より感謝申し上げます。
B Corp™の認証プロセスを通じ、ガバナンスや環境、顧客に対する取り組みなど、企業として取り組むべき課題も多く明らかになりました。また、自社の存在意義や組織のあり方を見つめ直す非常に良い機会となりました。今回の認証取得を第一歩として、真に社会全体の未来に前向きな変化をもたらすことができる企業となるために、引き続きメンバー一同努力を重ねてまいります。
今後に向けた課題
B Corp™認証の取得は会社にとっての大きな一歩となりますが、一方では、事業が生み出す環境・社会インパクトの可視化、社員およびパートナー、ステークホルダーの皆様のウェルビーイングを実現する事業・組織運営のあり方、サステナビリティ価値と経済的価値の統合など、環境・社会・経済の全ての側面において様々な課題に直面しているのが現状です。今後も、「本当によい会社とは何か?」を皆様と共に問い続けながら、B Corp™コミュニティの一員として事業活動に取り組んでまいります。
【参照記事】ハーチ株式会社 プレスリリース
Circular Yokohama Editorial Team
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