【2月18日】プラスチックのサーキュラーエコノミー~プラは悪者?循環型社会におけるプラスチックとの付き合い方~を開催します
- On 2021年2月10日
※本プログラムは、Circular Yokohamaが、一般社団法人YOKOHAMAリビングラボサポートオフィス、NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボと共同で企画運営しています。
横浜を舞台にしたサーキュラーエコノミー学習プログラム
~学ぶ。つながる。循環する。「座学」と「体験」で学ぶ3か月。~
気候危機や資源枯渇、新型コロナウイルス感染症の拡大など様々な社会課題が顕在化するなか、環境負荷と経済成長を分離し、地球の資源の範囲内で社会的な公正を実現し、持続可能な繁栄を目指す「サーキュラーエコノミー(循環経済)」への移行が求められています。
その中でも、2050年には世界人口の約7割が暮らすと想定されており、大量の資源消費や廃棄、格差、感染症など様々な課題を抱える都市がどのように循環型モデルへと移行していくかは世界共通の課題となっています。
横浜では、同市内各地で展開されているリビングラボ活動を支援する一般社団法人YOKOHAMAリビングラボサポートオフィスが中心となり、サーキュラーエコノミーの文脈において語られることが多い「Planet(環境)」「Profit(経済)」だけではなく「People(人々)」の側面にも重点を置いた独自のビジョン「サーキュラーエコノミーPlus」が掲げられ、産官学民が一体となった様々な循環型のまちづくり活動が展開されています。
今回、この「サーキュラーエコノミーPlus」のビジョン実現に向けて、循環型のまちづくりに欠かせない多様な主体同士のつながりの創出、移行に向けた担い手を育成することを目的として、地域の実践者らが主体となったサーキュラーエコノミー学習プログラム「Circular Economy Plus School」を企画しました。
プラは悪者?循環型社会におけるプラスチックとの付き合い方
プラスチックのサーキュラーエコノミーに取り組んでいる方々をゲストにお呼びし、現在の海洋プラスチック汚染、マイクロプラスチック問題や、プラスチック廃棄物の現場、リサイクル・アップサイクルの現状について学んでいきます。私たちの生活を至るところで支えているものの、一方で大きな環境問題を引き起こしているプラスチックとの向き合い方を皆さんと一緒に模索していきます。
プログラム概要
座学セッション | フィールドワーク | |
開催日時 | 2020年2月18日(木) 18:00~20:30 | 2020年2月20日(土)13:00~15:00 |
参加費用 | 1,500円※学生は500円割引 | 1,500円 |
主催 | LOCAL GOOD YOKOHAMA 2.0 実行委員会 Circular Yokohama(ハーチ株式会社)、一般社団法人YOKOHAMAリビングラボサポートオフィス、LOCAL GOOD YOKOHAMA(NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ) |
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詳細 | プログラムの詳細は公式ページをご覧ください | |
お申込み | Peatixにてお申込みください Peatix URL:https://ceps7.peatix.com/ |
座学セッション概要
流れ
■イントロダクション「サーキュラーエコノミーとプラスチック」(15分)加藤氏
■第1部:ゲストトーク(30分×3)
「リサイクルの現場から描く横浜の資源循環」栗原氏
「海洋プラスチックから生まれた工芸品”buoy”」林氏
「横浜の廃棄物とプラスチックの資源循環」北井氏
■第2部:パネルディスカッション(60分)
テーマ:「プラは悪者?循環型社会におけるプラスチックとの付き合い方」
■第3部:ネットワーキング(15分)
ゲスト講師
・栗原清剛(横浜市資源リサイクル事業協同組合副理事長)
昭和47年8月16日横浜市生まれ。環境に配慮をする行動に誰もが気軽に参加できる街、「リサイクルデザインタウン」実現に向け、未来のリサイクル業界を担う組合員とともに日々、奮闘中。毎年、夏休み恒例の「環境絵日記」や、リサイクル・環境問題に関する出前講座を実施し、子どもたちへの環境教育事業に強い意欲を持って活動している。
・林光邦(株式会社テクノラボ代表)
株式会社テクノラボ 代表取締役社長。テクノラボは主にIoT機器、医療機器といった製品の少量開発を行うプラスチックメーカー。その一方プラスチック製造に携わる企業として海洋ゴミ問題に対しなにかできることはないかと社内研究チームを立ち上げ、現在海洋ゴミのアップサイクルブランドbuoyの製造技術を担う。
・田所沙弓(株式会社テクノラボ プロダクトデザイナー)
多摩美術大学卒業後、テクノラボへ入社。IoTデバイスや通信機器のデザインに携わる。プラスチックの素材としての価値の再発見を目的とした「Plas+tech project」の運営。現在海洋ゴミのアップサイクルブランドbuoyのブランドオーナーとしてデザイン提案を行う。
・北井俊樹(株式会社グーン ブルーエコノミー研究所)
横浜市立大学で生物学を専攻し内分泌学を学んだ後、2019年に同社入社。廃棄物分野において横浜市と共に展開しているいくつかの海外展開プロジェクトの参加し、タイ、フィリピンにて調査を行う。国内においても特別管理廃棄物であるポリ塩化ビフェニル(PCB)の調査等を行う。
・モデレーター:関口昌幸氏(横浜市政策局共創推進課担当係長)
2012年から横浜市政策局政策支援センターにて「市民参加型の課題解決の実現」「地域経済の活性化」のためにオープンデータ活用による地域課題解決イノベーションの仕組みづくりに従事。現在は同市政策局共創推進室にて、産官学民の共創による地域課題解決拠点、リビングラボを市内各地で展開。2019年、循環型まちづくりによる公民連携イノベーションモデルとして「サーキュラーエコノミーplus」ビジョンを策定。
・モデレーター:加藤佑(Circular Yokohama / IDEAS FOR GOOD編集長/ハーチ株式会社代表)
1985年生まれ。東京大学卒業後、リクルートエージェントを経て、サステナビリティ専門メディアの立上に従事。2015年12月に Harch Inc. を創業。翌年12月、世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン「IDEAS FOR GOOD」を創刊。現在はサーキュラーエコノミー専門メディア「Circular Economy Hub」、横浜市で「Circular Yokohama」など複数の事業を展開。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー資格保持者。
セッションのみどころ
「2050年までに、海の中のプラスチックが魚の量を超える。」そんな衝撃的な予測を一度は耳にしたことがあるかもしれません。世界経済フォーラムが2016年に公表した報告書によれば、世界で使われるプラスチックの量は過去50年で20倍に増え、今後20年でさらに倍増すると見込まれており、2050年までに海洋プラスチックの量が魚の重量を上回ると予測されています。
現状のプラスチックの原料となっている化石燃料の気候変動への影響や、海洋プラスチック汚染がもたらす生態系への影響など、プラスチックを取り巻く課題はサーキュラーエコノミーを考えるうえでも欠かせないトピックの一つとなっています。
世界では、英国エレン・マッカーサー財団がプラスチックのサーキュラーエコノミー実現に向けた「New Plastics Economy」を立ち上げ、グローバル企業や各国政府らとともにプラスチックの資源循環に取り組んでいます。
日本においても、中国が2018年1月にプラスチックごみの輸入を禁止して移行、プラスチックをめぐる問題が顕在化し、急速に様々な取り組みが動き出しました。環境省は2019年5月に「プラスチック資源循環戦略」を策定し、「3R+Renewable」という基本原則をベースとしてリデュース、リサイクル、再生材・バイオプラ、海洋プラごみ対策など重点領域を定めて取り組みを進めています。2020年7月にはプラスチック製レジ袋も有料化されるなど、私たち一人一人の消費者が日常の中でプラスチック問題に触れる機会も少しずつ増えてきています。
こうした動きの中で世間では脱プラスチックの流れが進んでいますが、「プラスチック」という素材は本当に悪者なのでしょうか?例えば、軽量かつ丈夫なプラスチック容器は、輸送時のCO2排出という観点ではガラス容器などの他素材と比較して環境性能が高く、商品の保存性も高いなど、必ずしもマイナスばかりではありません。一方で、大量のプラスチックが海洋に流出し、環境問題を引き起こしていることも事実です。問題は、素材なのか、システムなのか、文化なのか。私たちはより多角的な視点でプラスチックと向き合っていく必要があります。
第7回のセッションでは、実際に「プラスチック」の現場で仕事をしている方をゲストにお呼びし、プラスチック問題の本質について皆さんと一緒に考えていきます。
一人目のゲストは、横浜市資源リサイクル事業協同組合の副理事長を務める栗原清剛さんです。横浜のリサイクル業界団体の立場から、「環境絵日記」や「リユースびん」プロジェクトなどユニークな取り組みをもとに循環型社会の実現に向けて取り組んでいる栗原さんからは、プラスチックを取り巻く日本や横浜の現状、協同組合としての取り組みについて詳しくお話いただきます。
二人目のゲストは、プラスチックメーカー株式会社テクノラボの林光邦さんです。海洋プラスチックごみから作ったアップサイクルブランド「buoy」などを展開している林さんからは、同社の取り組みと、その背景にある資源としてのプラスチックに対する考え方について学びます。
そして三人目のゲストは、横浜で産業廃棄物の中間処理業をメインに展開している株式会社グーンの北井俊樹さんです。北井さんからは、同社が展開している廃プラスチックのリサイクル事業や、リサイクル技術の海外展開などについて詳しくお話をお伺いします。
そして、後半のパネルディスカッションでは、「プラは悪者?循環型社会におけるプラスチックとの付き合い方」をテーマに、私たち一人一人がプラスチックという素材とどのように向き合い、資源循環を実現していくために何をすればよいのか、より深く掘り下げていきます。消費者の視点から考えるプラスチックごみ問題とはまた違う視点を手にすることで、より多角的に問題の本質に迫り、プラスチックのサーキュラーエコノミー実現に向けたヒントを模索していきます。
こんな方におすすめ
・プラスチックのサーキュラーエコノミーについて知りたい方
・横浜のプラスチックの現状について知りたい方
・プラスチックを循環させていくアイデアを一緒に考えていきたい方
・なぜプラスチック問題が起こっているのか、その本質を考えたい方
◆サーキュラーエコノミーPlusとは?
サーキュラーエコノミーPlusは、横浜独自のサーキュラーエコノミービジョンです。「Plus」は「人」を意味しており、サーキュラーエコノミーを資源循環や経済成長の視点だけではなく、まちで暮らす人々のウェルビーイングを実現するための手段として捉え、下記の4つを重点領域に定めています。
食や再生可能エネルギーの地産地消、空き家や遊休農地といった地域の遊休資産を活用した循環型のまちづくり、地域全体のウェルビーイングを実現するためのヘルスプロモーション、地域の中に循環経済の担い手を増やすためのパラレルキャリア推進など、多角的な視点からサーキュラーエコノミーを捉え、多様な主体が活動に取り組んでいます。
1)ローカル・フォー・ローカル~地域のものは地域に還す~
地域における資源循環と電力・食の地産地消による気候危機への挑戦
2)サステナブルデベロップメント~持続可能なまち繕い~
空き家や遊休農地など活かされていない空間の有効活用による持続可能な「まち」の実現
3)ヘルスプロモーション~人生100年の時代の健康戦略~
介護、ヘルスケア、スポーツ、生活サービス産業の総合的なプロモーションによる生涯活躍社会の展開
4)パラレルキャリア~会社や学校にとらわれないもう一つの学び方・働き方~
乳幼児から高齢者まで、個人に寄り添うフレキシブルな働き方・学びの場の創出による「ひと」のエンパワーメント
◆Circular Economy Plus School とは?
Circular Economy Plus School(サーキュラーエコノミープラススクール)は、地域で暮らす「ひと」に焦点を当てた横浜独自の循環型まちづくりビジョン「サーキュラーエコノミーplus」の実現に向けた、地域発のサーキュラーエコノミー(循環経済)学習プログラムです。環境にも人にも優しく、持続可能な循環型のまちづくりに関わりたい人々が産官学民の立場を超えて集い、学び、つながることで、地域の課題を解決し、横浜の未来をつくりだしていきます。
【イベントのお申し込み】https://ceps7.peatix.com/
【参照サイト】Circular Yokohama
【参照サイト】Circular Economy Plus School
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