ワークショップ「コーヒー粕で絵画を描こう!」を開催しました【イベントレポート】
- On 2023年12月23日
2023年10月21日、めぐる星天「アートカフェ」コーヒー粕で絵画を描こう!を相鉄線・星川駅直結のqlaytion galleryにて開催しました。
本記事では、ワークショップ当日の様子をレポートします。
※本イベントは、循環型の暮らしの普及を目指すサーキュラーエコノミー推進月間「Circular October」の特別企画のひとつです。
めぐる星天「アートカフェ」とは
めぐる星天「アートカフェ」は、アートを通じて身近にある捨てられてしまうものに新たな価値を見出すワークショップです。
今回は、コーヒーを飲むときにでる「コーヒー粕」を使いアートを楽しむ体験をしました。
コーヒー粕アートは、横浜市を拠点に活動する日本画家・造形作家の中田晋一(なかた・しんいち)さんが制作するコーヒー粕アートのアイデアを元に作られました。美術講師としても活躍する中田さんは、30年前からコーヒー粕を使いアート作品を描いています。
コーヒー粕アート以外にも、役割を終えた時計を使ったエコアート作品の制作もされている中田さんは、捨てられるモノの魅力を活かして「モノのセカンドキャリア」を築く芸術家です。
捨てられてしまうコーヒー粕の可能性
今回使用したコーヒー粕は、イベント会場であるqlaytion galleryが入っている商業施設「星天qlay」に店舗を構えるカフェ「Tully’s Coffee」と「Robert’s Coffee」からご提供いただきました。
一度水分を含んだコーヒー粕は、2〜3日かけて乾燥させます。乾燥後もカビが発生しやすいため、乾燥剤や5円玉などを使用し風通しのよい場所での保管が必須です。
本ワークショップで使用するコーヒー粕は、Circular Yokohamaが乾かすところから準備をしました。
コーヒーショップで捨てられていたかもしれないコーヒー粕が、参加者によって様々なアートに生まれ変わります。ただコーヒーを買うだけでは目にすることのない捨てられてしまう素材に価値を見出す体験をできるのが、このワークショップの魅力です。
実際に体験することで気づく、捨てられてしまう資源の可能性
コーヒー粕が乾いたら、アートを描く準備は完了です。
迎えたイベント当日は12名の参加者が集まり、各々個性溢れる作品をつくりました。
コーヒー粕アートは、まず紙に下書きをし、上からペン型ののりでなぞり輪郭を描きます。線が描けたら上から乾燥したコーヒー粕をかけ、余分なコーヒー粕を落とすと作品が浮かび上がります。
ワークショップで使用した紙は、株式会社kitafukuが製造するモルト粕が配合された「クラフトビールペーパー」です。
厚みもあり手触りのよいクラフトビールペーパーは、のりを使用する今回の絵画にぴったり。子どもにも大人にも大好評でした。
ただ紙にペンで線を引くのとは違い、のりを使用するコーヒー粕アートは、立体感が特徴的です。普段から廃材を使いアート作品を制作している子どもたちも参加しており、コーヒー粕を活用するアイデアに刺激を受けている様子でした。
ワークショップ中に完成しなかった作品を家に持ち帰り、ご自身で道具を調達して作品を仕上げていく参加者も。
「捨てられてしまう」はずだったものから、新たな作品を描くワークショップは笑顔で溢れ、大成功で幕を閉じました。
開催後記
多種多様な商品が売られている現代では、制作に必要な素材は気軽に購入することができます。しかし、一度立ち止まり、身近にあるもので材料をまかなうことができるのかを考えてみると、捨てられてしまうものにも価値が見いだせるのかもしれません。
今回のワークショップが、1つのものを長く使ったり多様な活用方法を模索してみたり、素材の可能性を見つけ出す“視点”を増やす機会になれば幸いです。
講師としてお越しくださいました中田晋一さま、本イベント開催にご協力いただきましたTully’s Coffeeさま、Robert’s Coffeeさま、そしてワークショップへご参加いただきました皆さま、誠にありがとうございました。
Circular Yokohamaでは、今後も日常に少しの循環を発見できるイベントを開催して参ります。
【関連ページ】【10/21】アートカフェ「コーヒー粕で絵画を描こう!」を開催します
【参照サイト】中田晋一 公式サイト