神奈川県立金沢養護学校は、肢体不自由教育部門・知的障害教育部門の特別支援学校です。同校の高等部では、2020年よりキャリア教育の一環として、「職業」の授業時間を活用。地域社会とつながる新しい取り組みに挑戦しています。
その一つが、リサイクルペーパーをアップサイクルしたハンドバッグの制作です。学校の印刷室から出る、捨てられてしまうコピー用紙の包み紙を材料に、ひとつ一つ長さを測って切ったり糊で貼り付けたりして、バッグの本体を作っています。また、バッグの持ち手部分の材料は、靴下屋さんから譲り受けた製造時に発生する端切れ。コピー用紙の包み紙のサイズや靴下の端切れの色合いには、一つとして同じものはなく、どれも世界に一つだけのハンドメイド製品です。
作業工程は、包装紙を開くところから持ち手を編むところまで、全部で大きく6つ。各工程は、生徒一人ひとりの能力やセンスを活かして分業しています。細かい作業を器用にこなすことができる生徒、複雑な工程に集中して取り組むことができる生徒、色や柄選びのセンスが光る生徒、などそれぞれが得意を伸ばしながら活躍できる場を作ることで、将来の夢や職業選択の幅を広げています。
また、出来上がった製品は、横浜市内の事業者との協働により、地域のマルシェやイベント等へ出品しています。