アクアポニックスは水耕栽培と養殖を掛け合わせ、野菜と魚を同時に育てる「循環型有機農業」です。魚の排泄物を微生物が分解し、植物がそれを栄養として吸収、浄化された水が再び魚の水槽へと戻る、自然の生態系を参考にした生産システムです。この仕組みを利用することによって、肥料効率が良くなるだけでなく、土耕栽培と比較して80%以上の節水を実現。生産性と環境への配慮を両立しています。無農薬・無化学肥料・無除草剤で栽培が可能なため、アクアポニックスの生産物はUSDA(アメリカの有機認証)取得が認められています。
神奈川県内では、障害のある社員の働く場として企業の導入実績があり、収穫した野菜を社員食堂で提供しています。魚と野菜を同時に育て、生態系を感じることで成長を見守る喜びや働くモチベーションが生まれ、コミュニケーションが促進されることから、コミュニティを活性化する役割としても機能しています。
農業・養殖業の生産・流通・資源循環のあり方を変え、地産地消を推進する、脱炭素社会における食料生産システムとして今後のさらなる展開が期待されます。