「Zero Ring」は、横浜のみなとみらいエリアのテイクアウト（お持ち帰り）容器を循環させるプロジェクトです。テイクアウトをした際に美味しい料理が使い捨ての簡易的な容器に盛られることにより、料理やお店の持つ世界観や価値自体を損ねてしまっているのではないかと疑問を抱き、「もっとテイクアウトの料理を楽しめるようにしたい」という想いから始まりました。

また、テイクアウト需要の増加に伴い、使い捨て容器が増加している課題も同時に解決すべく、食べること自体に楽しみを与えるだけでなく、容器を再利用する仕組みを作ることで環境に貢献したいと着想を得ました。

Zeroはゼロウェイストを、ringは同じくその形からzero（0）や輪を意味し、サーキュラーエコノミーの実現を目指すという意味を込めて名付けられた「Zero Ring」プロジェクト。2021年6月現在、Haishop Cafe協力のもと、10食から注文を受け付け、みなとみらいエリア内へ配達しています。今後は関内エリアにも展開予定です。

1. 廃棄物を出さないゼロウェイストな仕組み

近年、新型コロナウイルスの影響によりテイクアウト需要が急増しています。しかし、テイクアウト容器のほとんどは使い捨てとして一度使用すると廃棄されてしまうため、その廃棄量の多さが課題となっています。そこでZero Ringでは、繰り返し使えるテイクアウト容器を使用し、食事後に容器を返却し、飲食店で洗浄して何度も再利用できる仕組みを作り、廃棄物削減に貢献しています。

2. 地産地消にこだわり、環境にも優しい循環を生み出す

お弁当の食材には、半径80km以内の契約農家から仕入れたオーガニックや減農薬野菜が使用されています。横浜の食材を使用することで地域活性化や輸送に伴うCO2排出量の削減に貢献しています。他にも、市場では販売できなくなってしまった規格外の食材を用いて食品ロスを削減し、環境負荷が高いとされている肉類をなるべく使用せず、栄養バランスも考慮されたメニューを提供しています。さらに、万が一食べ残しがあったとしても、容器を返却するHaishop Cafeの店舗のコンポストに入れて堆肥化しているため、ごみが出ない仕組みになっています。

3. 身近なお弁当から環境や社会の課題を知り、配慮するきっかけづくり

Zero Ringは、あくまでも「楽しく」環境に配慮した行動をとれるきっかけを作りたいという想いで取り組んでいるプロジェクトです。お洒落で高級感のある容器を風呂敷に包んでお渡しする事で、見た目も楽しめるお弁当を提供しています。また、お弁当に入っているおにぎりは、日本国民が1日に廃棄する食品ロスの量と同じ重さである139グラムで作られているほか、フェアトレード認証のスパイスが使用されています。このように仕組みだけでなくお弁当の細部にまで考慮し、そのこだわりを伝えることで環境や社会の課題に対する意識が芽生えるきっかけにも繋がっています。